コミットメントはある行動を自分自身が引き受けることだと定義されている。スクラムではコミットメントは強い意味を持ち、スクラムの実践者はコミットメントを維持しなければ正真正銘のスクラムは成り立たないと言う。にもかかわらず、フォーラムにはコミットメントが遵守されないことについての質問があふれている。私たちはコミットメントの本当の意味を理解しているだろうか。
Jens Coldewey氏はアジャイルチームのコミットメントとは自己組織化チームによる、優れた仕事をするためのコミットメントであるという。メンバが情熱と誇りを持って仕事に取り組むチームだ。たくさんのストーリーやたくさんのストーリーポイントを完成するというコミットメントは間違った形式のコミットメントだという。
特定のストーリーやいくつかのストーリーポイントをコミットメントするというのは、外科医が患者がどのくらいで回復するかをコミットメントするようなものです。つまり、自分では制御できないことをコミットメントしているのです。計画会議で想定したストーリーが完成できていないとうことが意味するのは、単に変化に対応したということだけです。
情熱を持って仕事をするということを抜きにして行われるコミットメントはアジャイルマニュフェストにも違反する。'何が何でも'ある一定の料のストーリーを完成させるということをコミットして、想定していなかった変化に直面したら、コミットメントを守るにはふたつの選択肢しかない。さらに時間をかけるか、品質を落とすかだ。
John Sonmez氏も、コミットメントはスクラムでは語られない中心的なテーマであるが、実世界の文脈ではいくつかの理由でコミットメントの最大の弱点は追跡できないということだ。
コミットメントの何がいけないのか。追跡できないことです。ビジネスは優先順位を変えたくありませんが、重要な課題が発生することがあります。その場合でも、開発チームはスプリントのコミットメントを守りたいと思いますが、そう思うだけではコーディングを速めることはできません。そのスプリントに更なる時間を費やすこともできなすが、そうすると作業の速度が歪みます。こうなるとコミットメントを遵守するための現実的な方法は‘詰め物’をすることだけです。そして、これは最悪の方法です。
Chris Goldsbury氏はコミットメントの別の問題について話している。それは人によってコミットメントに対する理解が違ってしまう可能性があるということだ。どんなことが会ってもストーリーとタスクをイテレーション内で完成させるという意味で理解する人もいれば、メンバの何人が次のスプリントへ移行するという前提でストーリーとタスクを完成'しようとする'のがコミットメントだと考える人もいるかもしれない。この微妙な理解の差が巨大な結果の差を生み出す。
In a 同じような議論の中でGlenn氏は下記のようにコミットメントを定義している。
チームのコミットメントスクラムの規則にしたがってプロとして働くということです。スプリントの終了日は決まっています。作業内容に対するコミットメントはありません。もちろん、コミットメントが遵守されるということはバックログの中にある項目も含め多くのことが完了したということです。スプリント終了時点でバックログに完了していない項目があるのなら、それは取り消します。
Rawsthorne氏とShimp氏は'コミットメントベースの計画'という技術について説明する。この方法がうまくいくのはストーリーのサイズに基づいていないからだ、というのが彼らの考えだ。その時点での現実と事実に基づいて計画を立てる。過去に完成させたストーリーの大きさに基づいてコミットメントをするのではなく、現在の状況を考慮して計画を立てるのだ。
このように、アジャイルコミュニティの多くの人々、ストーリーとストーリーポイントに基づいてコミットメントを定義するのは、スプリントを検証する上である種の抑制と均衡をもたらすが、真のコミットメントとは情熱と勝利への遺志に基づくものだと考えている。