Palladio Benchはアーキテクトや開発者が性能や信頼性、メンテナンス性や開発コストなどのソフトウエアの品質を評価するのをモデルを利用することで支援するツールだ。
実装が終わって利用できるようになってからでないと、性能や信頼性などの品質が評価できないのは、ソフトウエア開発の主要な課題のひとつだ。この課題を克服するために、通常はコードやアーキテクチャのリファクタリングに多大なコストが割かれる。PalladioはPalladio Component Modelを使ってソフトウエアアーキテクチャをモデル化することでシュミレーションを行えるようにし、この課題を克服する。つまり、
モデリング、シュミレーション/分析、結果の表示を単一のツールに統合する
最新のバージョン3.2のフリーソフトウエアツールは、Eclipse 3.5(Galileo)をベースにしている。さらに、前バージョンを安定化させ問題を修正し、信頼性分析をサポートして、新しいグラフィカルなエディタとワークフローエンジンを導入した。また、仕様を検査するための新しいフレームワークも搭載している。
Palladioの開発は2003年にオルデンブルク大学で始まったが、今は、カールスルーエ工科大学とFZI情報技術研究センターとパーダーボルン大学が共同で開発している。SAP、ABB、IBM、Oracleのような特定のパートナーはすでにこのツールを使ったり、開発に貢献したりしている。
開発者によれば、Palladioは下記のコンポーネントで構成されている。
The Palladio Component Model (PCM)、コンポーネントベースのソフトウエアアーキテクチャの詳細なメタモデル
コンポーネントベースのソフトウエアの開発プロセス(PDF)。Palladioはこの開発プロセスと連携してコンポーネントベースのソフトウエア開発のシナリオのための分散モデリングを実現する。
A ソフトウエアアーキテクチャシュミレーター: 性能や信頼性、メンテナンス性やコストを予測する手法が統合されている。この手法は分析やシュミレーションしてPalladioのモデル(PCMのインスタンス)からメトリクス(例えば応答時間)を算出する。
ツールサポート。Palladio-BenchはPalladioのすべての特徴を実装している。
興味のある方はPalladio-Benchバージョン3.2をダウンロードするといいだろう。このページにはチュートリアルやスクリーンキャストなども豊富に揃っている。