Microsoftは、iPhone/iOSアプリをWindows Phone 7(WP 7)へ移植するためのプロセスを簡易化するAPIマッピング・ツールや、ガイド・ドキュメント、動画を公開した。
Microsoft Windows Phone Interoperabilityチームは、一部のiOS APIコールとそれに対応するWindows Phone 7 APIコールをマッピングするためのオンライン・ツールを作成した。 このツールは、アプリケーションのソース・コードの処理や、WP 7へのコード変換を自動的に行うものではないが、iOSのクラス/メソッドがWP 7のどのクラス/メソッドに対応しているのか判断する際に有効だ。 また、このツールはiOS 4.2を対象としてはいるものの、iOS APIの全カテゴリー(音声/映像、データ管理、画像/動画、ネットワーク/インターネット、パフォーマンス、セキュリティ、ユーザ・インターフェース)を網羅しているわけではない。現時点では、ネットワーク/インターネット、ユーザ・インターフェース、データ管理のAPIを移植するためのガイドが提供されており、今後は対象APIを拡大していく予定という。 ツール上に候補として表示される各クラス/メソッドは、それに対応するWindows Phone 7オンラインMSDNドキュメントにリンクしている。
さらに、Microsoftはおよそ90ページから成る「iPhone アプリケーション開発者のためのWindows Phone 7ガイド(Windows Phone 7 Guide for iPhone Application Developers)」(PDF)も作成し、Windows Phone 7の開発についてiOS開発者に紹介するとともに、開発に必要となる基本ツール、WP 7のアーキテクチャ、プログラミング・スタック、使用言語、ユーザ・インターフェースなどの説明も記載している。
こうしたマッピング・ツールやWP 7のガイド・ドキュメントの他に、開発者の体験談(iPhoneアプリをWP 7へ移植した開発者に関する動画)も公開されており、開発者の経験やその過程で得られた教訓などを視聴できる。
一連のツールやガイド・ドキュメントなどは、自らのアプリケーションをWindows Phone 7で使用することを検討中のiOS開発者を対象に作られているが、アプリケーションの移植用ツールとして理想的とまではいえない。しかし、WP 7の世界に触れ、WP 7への変換プロセス全体の効率化を図るには有効なツールだといえよう。