MechSoft がリリースしたSiwpasは、もっぱらWebアプリケーションにフォーカスした Apache Tomcatをベースにした軽量のアプリケーションサーバーである。
Siwpas は Apache Tomcat 7 をベースにしたJavaアプリケーションサーバーで、以下のものがセットになっている。
- JPAサポート、Apache OpenJPAで動く
- EJBサポート、Apache OpenEJBで動く
- CDIサポート、Apache OpenWebBeansで動く
- Apache MyFaces介するJSFサポート
- Java EE 6 Web Profileを利用して、 プロプライエタリなサービス層により全ライブラリでコンポーネント注入が容易になる。
- プロプライエタリな監視コンソール（エンタープライズ版のみ）
MechSoftの Chief Technology OfficerであるGurkan Erdogdu氏にSiwpasについてもっと詳しく聞いた。
InfoQ: Siwpasを正確に教えてください。
Siwpasは "Simple Web Profile Application Server"のことです。 Java EE Web Profile仕様の実装を目的にした軽量のJavaアプリケーションサーバーです。幾つものApacheプロジェクトを基にしています。それらのいくつかはSiwpasにそのまま入っています（例えば OpenJPA や MyFaces）し、MechSoftによって拡張されたものもあります（ OpenWebBeans やOpenEJBなど）。
InfoQ: Siwpasの対象ユーザーは？既存のTomcatユーザー？フィーチャ満載のアプリケーションサーバーを使う開発者ですか？
SiwpasはTomcatに近く、WebLogic, WebSphere, JBossなどの重厚なアプリケーションサーバーとは違います。 Java EE 6 Web Profileに必要なフィーチャだけを載せています。例えば、CORBA統合やJMS統合などは含んでいません。Siwpasを使えば数分で Java EE Web Profileアプリケーションを簡単に実装できます。更にSiwpasはフィーチャ満載のアプリケーションサーバーに比べて非常に早いです。普通に使われている環境なら2,3秒でアプリケーションが動きます。デプロイチームには再デプロイの時間が大変重要です。「デプロイ／テスト」のサイクル時間がSiwpasで非常に短くなります。
InfoQ: では、Siwpasは単に Tomcat + EJB + JPA +JSFですか？あるいは他にも何かありますか？同じApacheのプロジェクトを統合すれば誰でも同じ機能を得ることができますか？
いいえ、Java EE Web Profileに必要なものを提供するためにライブラリの幾つかを拡張しました。もし開発者が素のTomcatを使い、それに EJB, JPA 、JSFを追加しても、JSF beansにEJBを注入できること、CDI beansをサーブレット、 Filter, EJB, CDI beansに注入すること、一般に全ての Java EEリソース依存性を正しく扱える保証をできません。仕様によれば、全ての Java EE Web Profileコンポーネントは一緒に動かなくてはなりません。例えば、もしwebアプリケーションがEJBを含んでいれば、webアプリケーションJNDIコンテキストはEJBのJNDIコンテキストを共有しなければなりません。この種の相互運用性は統合（カーネル）層を書かないと実現できません。MechSoftが実装したカーネルは、このようなコンポーネントをすべて統一された方法で持っています。
更に、Siwpasエンタープライズ版はクラスタリングとTomcatのネイティブなクラスタリングによるステートフルEJBと CDI beansのフェイルオーバーを含んでいます。これらのフィーチャは標準のEJBやCDIの実装には含まれていません。これらは OpenEJB と OpenWebBeansの実装をMechSoftが拡張したものです。将来のリリースには、WebSocket プロトコル と Comet Protocolの実装が含まれます。
InfoQ: Web Profileには完全に 遵守するのですか？Web Profile は開発者にとって重要ですか？遵守することが貴社にとって重要ですか？
はい。現在我々は、妥当な方法で Java EE Web Profile TCKを入手したいと考えています。 Java EE Web Profile TCKでSiwpasを完全にテストするためにMechSoftはOracleからそのライセンスを取得する必要があります。もしライセンスを得られれば、Siwpasを Java EE Web Profileに対して認定したいのです。 Profile互換性は開発者にとって重要ですが、それが全てではありません。実際のアプリケーションはTCK遵守より必要なものがたくさんありますから。しかし我々にとって、 Java EE Web Profile認定の取得は重要です。
InfoQ: Spring tc Serverとはどのように競うのですか？彼らもTomcatベースの軽量なアプリケーションサーバーであり拡張もしています。
Spring tcServerは Tomcat プラスSpringフレームワークをベースにしています。SiwpasはTomcatプラスJavaEE技術がベースです。JavaEE 6は以前よりも使うのがずっと簡単です。 EJB 3.1 Liteの仕様を見るとわかるのですが、トランザクションとセキュリティ保護を使ってEJBを実装するのが非常に簡単です。Springが導入された時には Web Profileはありません、対応サーバーは完全にJ2EE仕様をサポートしなければなりませんでした（非常に重いものになります）。その頃J2EE技術でwebアプリケーションを開発しようとしたら非常に時間がかかりました。今はそうではありません。 Java EE 6 Web Profileは充分定義されたコンポーネントだけを含み、エンタープライズ アプリケーションが使うかもしれない全てを含む必要がありません。なので基本的な違いは、 Spring tc Serverと違ってSiwpasはJavaEE 標準を基にしており、カスタムなフレームワークを使っていない、ということです。
Siwpasには二つのエディション、コミュニティ版とエンタープライズ版がある。コミュニティ版はオープンソースで公式のサポートはない。エンタープライズ版はコミュニティ版をベースにしているがサーバー管理が楽になる プロプライエタリなwebコンソール など他のフィーチャが付いてくる。デモビデオ もある。
IDE内にデプロイできるEclipseプラグイン もリリースされた。