Apacheソフトウェア財団は、Libcloud が、Incubatorからトップレベルプロジェクトに昇格したと5月25日に発表を行った。Libcloudは、様々なクラウド提供者の独自APIに対して、ベンダー中立のインターフェースを導入するPythonのライブラリだ。トップレベルプロジェクトとして、今後、このソリューションは、今まで以上に注目とサポートをオープンソースコミュニティから得ていくことだろう。トップレベルプロジェクトに昇格するタイミングで、新たなバージョン0.5がリリースされた。
Libcloudは、元々、CloudKickのCEOであり共同創立者のAlex Polvi氏のまわりの開発者によって作成された。この会社はクラウド管理に特化しており、最近、Rackspaceに買収された。クラウド管理の会社にとって、様々なベンダーによって提供される様々なクラウドソリューションを管理することは、必須事項だ。しかし、これを実現するには、それぞれのクラウドに特化した実装、もしくはベンダー中立のアプローチのいずれかが求められる。後者のソリューションをLibcloudは実現しようとしており、その結果として、様々なクラウドをプログラム的に連携させること、いわゆるマルチクラウドが可能となっている。2009年にApacheソフトウェア財団は、LibcloudをIncubatorプロジェクトとして受け入れた。
Libcloudの開発者チームによると、このソリューションが提供しているのは、次のようなものだ。
クラウド提供者のAPIへのベンダー中立のインターフェース。現在のバージョンのApache Libcloudは、Amazon EC2、Rackspace Cloud、GoGrid、Linodeを含む20以上の業界をリードするクラウド事業者用のドライバを含んでいる。トップレベルプロジェクトへの昇格は、Libcloudの製品とコミュニティの双方が、財団の能力主義、合意主義のプロセスと原則にのっとって運営されていることを示している。
開発者は、クラウドのリソースを管理するために、listやcreate、destroyなどのメソッドやその他の機能をライブラリの中で利用できる。こういった包括的なアプローチをみると、データベースのアクセス・レイヤが様々な永続プロバイダに対して同様のラッパを提供していることを連想させる。SSLのようなプロトコルもクラウドリソースへの安全なアクセスのためにサポートされている。
おもしろいことに、Apache Incubator ProjectのひとつであるDeltacloudは同様のソリューションだが、RESTベースのものを提供しており、もともとはRed Hatにより創設された。