ケベック州モントリオールで開かれたAgile Coach Camp Canada 2011において、Michael Spayd氏がシステミック・コンステレーション(Systemic Constellations)というパワフルなコーチングテクニックを実演した。
Michael氏はまず、10・5人のグループにできるだけ密に輪になるよう頼んだ。それから、みんなが議論したい具体的な業務状況についてサンプリングした。
続いて、Michael氏はボランティアをひとり選出した。そして、彼女(ボランティア)が議論したい業務状況に関連した、システムで表されるべき人(4・人)やグループ、イベントのリストを作るのを手伝った。
リストができると、Michael氏は彼女に彼女自身の代理となる人を選ばせた。代理人が選ばれると、続いてリストにある残りのものを表す人たちも選ばせた。ここで彼は、選ぶときには相手に許可を得ること、そして、選ばれた人には拒否する権利があることを伝えた。また、見かけや些細なことで人を選ぶのではなく、彼女が正しいと感じるのに任せるよう促した。
Michael氏は選ばれた人たちに対して、このエクササイズはロールプレイングではなく、それぞれが表す人やグループのキャラクターになりきろうとしてはいけない、と注意した。
そして、選ばれなかった人たちに対しては、彼らの周りを取り囲んで、ただ観察するように言った。これがシステムで起こっていることを支える保護バリアになるのだそうだ。
次に、Michael氏はボランティアに、だまって代理人たちの位置を合わせるよう頼んだ。彼女は自分の代理人から順に、代理人たちを彼女が正しいと感じる位置と向きに動かしていった。
システム内にいる代理人たちは、頭を空っぽにして、ただ心に浮かんだことを感じるよう言われた。Michael氏は外部にいる人たちに対して、あなた方はここで起こっていることのエネルギーの器になるためにいるのだと説明した。
それからMichael氏は、ボランティアの代理人から順に、感じたことについて語るよう頼んだ。すると「向きを変えたい」「動きたい」「孤立感がある」といった回答があった。
一通り代理人らのフィードバックを聞いたあと、Michael氏はボランティアに、システムに対してゆっくりと少しずつ戦略的な動きを加えるよう頼んだ。また、システムを分析したり、口に出して議論するのでなく、じっくりと考えるよう彼女に注意した。
そうして変化を加えたあと、Michael氏は再度みんながどう感じたのかチェックした。
残念ながら、セッションはここで時間切れになったが、このテクニックのパワーを体感することができた。ボランティアはシステムの現状がどうなっているかについて、価値あるフィードバックを得ることができ、さらには、システムに変化を加えることで起こる副作用についてのフィードバックまで得ることができたのだ。
システミック・コンステレーションはファミリーシステムセラピーに由来し、Bert Hellinger氏によって開発され、Virginia Satir氏といった人々により発展してきたものだ。
システミック・コンステレーションについて、詳しくはWikipediaのページを参照。
画像を提供してくれたIsabelle Therrien氏に感謝する。