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Forrester,データ仮想化の技術的成熟を宣言

原文(投稿日:2011/07/17)へのリンク

2011年6月15日,Forrester がエンタープライズアーキテクチャに関する報告書をリリースした (Composite Software から無償でダウンロードできる)。その中で同社は,データ仮想化の IaaS (information-as-a-service,サービスとしての情報) としての提供は目前だ,と述べている。さらに,同技術の導入成功による実質的な統合コスト削減の可能性を示唆するとともに,そのメリットを強調するものとして,3件のケーススタディを掲載している。Forrester の認めるデータ統合のベストプラクティスは,Information Fabric の実装における “砂時計のアーキテクチャ (hourglass architecture)” と呼ばれるものの採用だ。

Forrester によれば,データ仮想化の採用増加を牽引する重要な要件のひとつは,ETL と DBMS 統合の代替となり得る,優れたデータ管理とデータ統合に対する戦術上の需要にある。データ仮想化によって多様なソースを持つデータが,その物理的な場所や各ソースの性質に関わらず抽象化,変換,連合,配信され,利用者に対して単一のアクセスポイントで提供される。従来の ETL および DBMS アプローチの比較では,以下のようなメリットがある。

– 仮想データストアが基本データ操作の必要なく短周期で生成可能であることによる,統合の柔軟性と俊敏性,
– 物理的コピーの削減によるデータ品質の改善,そして
– 目的指向のビジネス用オブジェクト生成による利用性の改善。

報告書において,Forrester の研究結果として公表されている重要なデータ統合デザインパターンが "砂時計のアーキテクチャ" である。同社の設計によるこのアーキテクチャは,3つの主要な機能を持つ階層型アーキテクチャだ。すなわち,1) 中間的な標準モデルと 2) 最終的な仮想マッピングレイヤを通じて,3) データがユーザの近くへ移動する従ってデータを物理形式から仮想形式へ徐々にシフトすることにより,利用者の希望する形式でのデータ提供を実現する。

IT 関連組織における現時点の仮想データ技術適用率は 20% に満たないが,Forrester は次のように予測する。

今後 18 ないし 36 か月にわたる技術の向上,さらなるサードパーティ統合,あるいは新たな利用パターンがデータ仮想化のポテンシャルへの意識向上を促進し,それが市場意識に変化をもたらすものと期待されます。すでに多数のアーリーアダプタが,市場をリードする製品の最新リリースを利用して大きな成功を収めています。例えば Qualcomm のあるインタビューで述べられたことですが,"統合すべきデータを物理的に移動する必要はない,と私たちが気付いた時,その技術は本当の意味を持ち始めました。私たちは現在,(データ仮想化において) ポイントソリューションから企業レベルの展開に移行しています。"

この変化を推し進めるものは何だろう? 技術の進歩はこれまで,必然的な設定の困難さ,パフォーマンス要件への不適合,セキュリティ上の不安など,データ仮想化の適用に対する多数の懸念に対処してきた。

コストベースのクエリ最適化による,利用パターンの拡大
分散キャッシュによる,エンタープライズ規模の運用実現
検出ツールの改善による,仮想データストア生成の容易化
データマスキングによる,仮想データソースへの要素レベル保護の追加
よりアウト・オブ・ボックスなサードパーティ製品のインテグレーションで構築される,真のエンタープライズプラットフォーム
大規模データ統合による,ビジネス上の洞察力の可能性拡大

この報告書の内容から,仮想データ技術が導入に向けて成熟し,MDM やデータガバナンス,あるいはメタデータ管理を凌駕した,という自信を得ることができただろうか? この技術について,あなたが持っている懸念は何だろう?

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