台北で6月1日に行われたD9カンファレンスでMicrosoftはWindows 8を初めて披露した。
同社のWindows計画、ハードウエアおよびPCエコシステム担当のバイスプレジデントであるMike Anguilo氏によれば、Windows 8はマウスとキーボードを使うデバイスと同時に"タッチだけ"で操作するタブレットでも使えるよう徹底的な設計がなされている。タブレットのようなタッチでバイスでもラップトップやPCのような従来のデバイスでも同じように利用できる。
Windows 8には興味深い機能がある。‘Windows 8’プレビューという記事でWindowsエクスペリエンス部門のバイスプレジデントであるJulie Larson-Green氏は今まで紹介されてこなかったWidows 8の機能について説明している。
- タイルベースのスタートスクリーンからのアプリの高速起動。これによって現在のWidnowsスタートメニューはカスタマイズ可能なフルスクリーンのアプリ一覧で置き換えられる。
- アプリケーションから最新情報を通知してくれるライブタイル。
- 実行中アプリケーションの自然な切り替え
- アプリケーションのスクリーンの脇にアプリケーションをリサイズして置いておくことができる便利な機能。これによってWindows 8の機能を利用して本当のマルチタスクを実現できる。
- HTML5とJavaScriptを利用したウェブに繋がったアプリケーション。このアプリはPCの力を完全に利用できる。
- タッチ操作に最適化されたブラウジングとハードウエアアクセラレーションの力を完全に利用したInternet Explorer 10。
さらに、Windows 8には下記の機能が加わる予定だ。
- アプリ間のデータ共有
- タッチスクリーン上の人間工学に基づいたキーボード。親指でのタイピングもサポーする(イメージ参照)。
- Chromelessアプリ - すべてのピクセルをUIスクリーン上に描画するアプリ。スクロールバー、システムトレイ、スクロールウィンドウはない。
- "常時接続モード" - 強化されたスリープモード。アプリがネットに接続されたままでスリープモードになる。
スクリーンの端にアプリをドラッグする。
ディスクトップモード - Windows 8のファイルにアクセスする。
普通のキーパッド
親指タイプを実現するキーボード
スナップ機能を使うとアプリを並列で動かせる。
Windows 8の誇らしげなUIはWindows 7のMetro UIにそっくりだ。Windows 8のPCを初めて起動すると新しいUIが目につく。それはタイルのモザイクだ。アイコンはタイルに置き換えられた。タイルはアプリケーションを実際に起動しなくてもそのアプリケーションの情報をユーザに簡単に伝えてくれる。Windowsユーザエクスペリエンス部門のディレクターであるJensen Harris氏はビデオブログで"タイルがアイコンより優れているのは、アプリケーションの正確を示すためのスペースがあるからです。例えば、天気予報アプリならアプリケーションを開かなくても天気を教えてくれます。"と言う。スクリーンはユーザの必要によってカスタマイズできる。また同社はこの新しいUIの最小の解像度について詳しく説明している。それによれば、1366x768が最適な解像度であり、1024x768が最小値だ。これより、小さい解像度をサポートするのはディスクトップモードだけだ。
スタートスクリーン
同社はデモでARMを使ったデバイスが市場に広まっていることを認め、ARMを使ったマシンで動くWindows 8を紹介した。しかし、Microsoftはx86のARM番の機能や存在感にも注力している。Windows 7のPCで動くアプリケーションは問題なくWindows 8のPCでも動くだろう。しかし、ARMのタブレットで動くWindows 8と互換があるかどうかについては不安が残る。MicrosoftがARMベースのシステムがパートナーであるNVIDIA、Qualcomm、Texas Instrumentsによって設計されていると発表した後、Texas Instruments (マルチコアOMAP4470プロセッサ)とQualcomm (Snapdragon MSM8960)はWindows用のARMプロセッサを発表している。Daily TechのMark Kurlyandchik氏はARMプロセッサについてより詳しい情報を披露している。IntelとAMDを使ったPCにとってはWindows 7のシステム要件はWindows 7以上にはならない。
またMicrosoftはパートナー向けにハードウエアの詳細な情報を明らかにした。Mike Anguilo氏はスライド"Windows 8 Touch Considerations"で、Windows 8搭載のタッチデバイスの推奨ベゼルサイズについて話した。この推奨値はタブレットコンピュータが持ちやすく、スクリーンが不用意にアクティブにならないようにするための値だ。 また、Windows 8はUEFIを今までよりもしっかりサポートする予定だ。これによって、システムのブートが安全で速くなる。OEM 3.0もサポートする。センサー機能も強化される。
ソフトウエア開発については十分な情報がなかったものの、HTML5とJavaScriptでアプリケーション開発ができるようになるので、ウェブ開発者にとってはWindowsプラットフォームでの開発に大きな可能性が開かれるだろう。ひょっとしたら、最も大きかったのはMicrosoftが開発ツールとしてSilverlightとWPFに言及しなかったことかもしれない。これには.Net開発者から大きな反響があった。
開発者が興味を持ちそうなWindows 8についてのさらに詳しい内容はBUILDカンファレンスで披露される。カンファレンスへの登録はすでに始まっている。