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Open Cloud Initiative、オープンなクラウドコンピューティングを促進

原文(投稿日:2011/07/27)へのリンク

OSCON 2011において、Open Cloud Initiative (OCI) が発表された。これは、ユーザがベンダーを選択し、望むときに別のベンダーに乗り換える自由のあるエコシステムを構築するために、ユーザとベンダーをまとめることを意図して設立された。

OSCON 2011において、オープンなデータフォーマットとオープンなインターフェイスを通してオープンなクラウドコンピューティングを推進しようとする非営利団体、Open Cloud Initiative (OCI) が発表された。OCIは、1世紀以上も前に起こった発電機の利用から電力網の利用への変革になぞらえて、クラウドコンピューティングをソフトウェア製品の利用からソフトウェアサービスの利用への変革だと考えている。そのためには、クラウドコンピューティングの恩恵を受けるユーザはみな、どのプロバイダであっても望み通りに自由に利用することができ、好きなときに別のプロバイダに乗り換えることができる必要がある。これを実現するためには、プロバイダは共通のデータフォーマットを使い、データにアクセスできなくてはならないとOCIは考えている。「透過的なデータにアクセスできないと意味がありませんし、不明瞭なデータに自由にアクセスできても意味がありません。ユーザは透過的なデータに自由にアクセスする必要があるのです。」

OCIは原則づくりから始めている。

  • インターオペラビリティが重要だ。
  • ユーザにとって参入障壁および撤退障壁があってはならない。
  • ユーザが誰であるか、ユーザがどんな技術を使っているかによって、差別があってはならない。
  • ベンダーはオープンスタンダードの策定、実装に協力しなければならない。

オープンスタンダードは次のような要件を満たさなければならない。

  • 著作権: スタンダードは細部にわたり完全に文書化され、公開され、無料でアクセスおよび(再)利用できなければならない
  • 特許: スンダードに含まれる可能性のある特許は、ロイヤリティフリーで、取消不能の形で利用できなければならない
  • 商標: その識別のために使われる可能性のある商標は、差別的でないコンプライアンス実行にのみ使われなければならない
  • 実装: 複数の完全な、信頼できる、相互接続性のある実装(クライアントとサーバの両方に当てはまる)がなければならない。そして、少なくともひとつの実装は、Open Source Initiative (OSI)承認したライセンスのもとライセンスされるか、パブリックドメインに置かれなければならない

スタンダード実装のうち1つだけがオープンソースであればよくて、すべてがオープンソースである必要はないということは重要だ。オープンソースであることが重要視されていないと言って、この要件を批判している人もいるが、OpenStackのような取り組みに参加するのを渋っているクラウドプロバイダを引き込むためには、必要なことかもしれない。

現在、OCIは10名のディレクタによって率いられている。彼らはその内規によって、「通常の職務遂行に伴う妥当な昇給や費用返済」を除き、報酬を受け取ることを禁止されている。ディレクタには、Evan Prodromou氏、John Mark Walker氏、Marc Fleischmann氏、Noirin Plunkett氏、Rick Clark氏、Sam Johnston氏(議長)、Sam Ramji氏、Shanley Kane氏、Simon Wardley氏、Thomas Uhl氏がいる。Sam Ramji氏はかつてMicrosoftのオープンソース活動を率いていたことで有名だ。この組織にはまだ会員がいない。

一年前、RackspaceはOpenStackプロジェクトを発表し、自らのクラウドプラットフォームをオープンソース化した。これにはNASAも参加し、Nebula Cloud Platformで貢献している。当初は25の企業の支持を獲得し、その後、その数は75まで増えている。このプロジェクトの目的は、コミュニティのリソースを結集して、多くのクラウドユーザやベンダーが支持する完全なオープンソースのクラウドコンピューティングプラットフォームを作ることだ。OCIとは異なり、OpenStackは白紙の構想や原則から始まったわけではなく、Rackspaceのソースコードから始まった。そのおかげで幸先のよいスタートが切れたのだが、参加を渋っている企業もいる。去年参加した主要なクラウドプロバイダはひとつもなかったと言えばわかるだろう。OCIは、ユーザ全員に恩恵を与える大規模なクラウドエコシステムに参加したいと考えているベンダーの一部を何とかして引き込むだろう。今のところ、主要なクラウドプロバイダはみな、顧客が一部の外部サービスを利用できることを除いて、インターオペラビリティを考慮せずに独自のサービスを競って構築している。ユーザがベンダーロックインを恐れずにクラウドコンピューティングを採用するためには、この状況は変わらなければならない。

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