IFEAD (Institute For Enterprise Architecture Developments) が エンタープライズツール選択ガイド をアップデートして,新たなサプライヤと業界アナリストたちからの最新の評価を追加した。このガイドは Forrester1 と Gartner2 による評価を活用して,サプライヤ30社の製品を視覚的に分類した上で,エンタープライズアーキテクチャツール選択において考慮すべき重要な基準を特定するものだ。
Forrester は エンタープライズアーキテクチャ管理スイート (Enterprise Architecture Management Suites / EAMS) が "IT 管理の世界における次の中心"1 になるのではないか,と問いかけている。ところで EAMS 製品の定義とは何なのだろう? Forrester と Gartner の両社に評価を受けた EAMS ベンダの1社である BiZZdesign は,次のように述べている。
優れた EA ツール製品はモデリングだけではなく,エンタープライズアーキテクチャの原則の記述もサポートします。ビジネス事例や IT の目標,ガイドライン,ポリシ,原理といったものを考えてみてください。EA ツールはこのような原則と,それらが適用されるエンタープライズアーキテクチャの要素とを結びつけるものなのです。
アナリストによると,完全な EAMS ツールとは,アーキテクチャに対する変化の影響を特定し,プロセスとテクノロジ2に対する変化のリスクとコンプライアンスを測定し,IT 計画とガバナンスをサポートし,さらに予算や戦略,リスク評価1といった作業を補助する成果物を生み出すことのできるものだ。ARIS コミュニティサイトのあるポストでは,アーキテクチャ管理,アーキテクチャ人口とモデリング,アーキテクチャ分析,アーキテクチャコミュニケーション,アーキテクチャガバナンスなどを項目とするEAMS 機能分類が詳細に定義されている。
Forrester は Mega,Troux,alfabet,そして Software AG を,この新興製品分野におけるリーダと認めている。また Salamander やMetastorm,Casewise など数社を,"強力なパフォーマ" としている。どれも発展途上と呼ぶにふさわしい企業1だ。さらに IEFAD 選択ガイドでは,ベンダーツール機能全般におよぶ広い範囲を対象として,市場におけるリーダやビジョナリ,挑戦者,ニッチプレイヤなどを特定している。ガイドの可視化からは,いくつかの重要なポイントが浮かび上がってくる。
- すべての機能領域をカバーしている単一のベンダは存在しない。したがって領域全体をカバーするためには,複数製品の選択が必須である。
- ほぼすべてのベンダが,ソリューションアーキテクチャに関する能力を提供している一方で,ガバナンス/リスク/コンプライアンスの領域における成熟度は,それよりもはるかに劣っている。
- ベンダのほぼ半数が,1つないし2つの機能領域のみをカバーしている。
- 市場で活躍するベンダは数多いが,それらすべてが自身の強み1の方向へ市場を導こうとしている。
IEFAD による可視化は次のようなものだ。拡大したバージョンを見るにはイメージをクリックするか,あるいは IEFAD のサイト を参照してほしい。