多くの製品やソリューションによってソフトウエアはますます必要不可欠な基礎になっているが、西欧ではソフトウエアエンジニアが足りなくなっている。熟練のソフトウエアエンジニアの枯渇により、多くの企業がエンジニアを求人してその結果採用出来ても、求める技術力とのギャップがあり、採用企業の推進力を損なう場合もある。
8月12日発刊のTelegraphのヘッドラインのひとつは“ソフトウエアエンジニア不足で'cロンドンのTech Cityが崩壊の恐れ'”というものだ。この記事で、起業家であるJoe Cohen氏が最世界的な技術の街である西ロンドン地域はシリコンバレーと競争したいと思っているが、ソフトウエアエンジニアの不足に悩んでいる、と話している。特に次のGoogleやFacebookのような成功を納めそうな創業者になり得るエンジニアが足りない。
Tages Anzeigerの調べによればヨーロッパの他の国も同様の問題を抱えている。スイスではコンピュータ科学を専攻する学生の数は20年前と変わっていない。ドイツもいわゆるMINT(数学、情報技術、自然科学、工学)の専門家が不足している。テレビ局3SATの調査によれば、企業はおおよそ12万人の専門家を必要としている。
シリコンバレーのような魅力的な場所でも高い技術力を持ったエンジニアの不足に悩まされている、とNew York Timesは報じている。ソフトウエアエンジニアはいるのだが、企業が求める技術力が伴っていないのだ。
ヨーロッパや北米では年間に数千のソフトウエアエンジニアを生み出しているが、中国やインドでは毎年、何十万もの専門家を排出している。
ロンドンに従来の教育システムと行政の問題もある。
したがって、教育や仕事の経験を積ませるためにリソースを割くのは技術企業の役目になります。
様々な地元企業が開発キャンプを開催して、学生に基礎的なトレーニングを施し、スマートフォン向けのアプリ、ウェブやFacebookアプリの開発を支援している。
企業や政府はソフトウエアエンジニアリングを学ぶ学生を増やす努力をもっとするべきだ。エンジニアは相対的に高い給与が必要だが、若い人々の間ではソフトウエアエンジニアリングの評判は良くないようだ。原因は、一日中プログラムをいじくるのが大好きな、技術中毒のオタク、という以外にソフトウエアエンジニアの明確な人物像を描けないからだろう。ソフトウエアエンジニアリングとは多様で刺激的な仕事であり、多くの人々と協調し、意思疎通をしなければならないということが分かっていないのだ。