MicrosoftはBUILDカンファレンスでクラウドサービスで利用できるアプリケーション開発向けの新しいツールを発表した。Windows 8向けWindows Azureツールキット、Windows Azure SDK 1.5、Windows Azureマーケットプレイス、 Replication for Windows Azure Storage、Service Busの9月リリース版、そしてWindows Azure Service Management APIだ。
Windows 8向けWindows Azureツールキット
今週はWindows 8関連のニュースが豊富だった。またWindows 8の開発者向けプレビューが利用可能になった。Windowsの次のバージョンが出荷される遥か前にWindows 8向けWindows AzureツールキットがCodePlexから手に入るようになるなど、Microsoftが全力を挙げているのが興味深い。アプリケーションはAzureのストレージや、様々なサービス、デバイス通知機能や認証機能の恩恵を受けるだろう。
Windows 8向けWindows Azureツールキットが提供するのは、
- Visual Studioプロジェクトのテンプレート
- コードサンプルやドキュメント、ベストプラクティスなどのガイダンス
- 再利用可能なサービスとライブラリコード
開発者はMetroスタイルのアプリケーションをJavaScriptやHTML5のようなウェブの技術や、C#、C++、VBのような.NETの技術を使って開発できる。Windows Azureのブログでは新しいWindows Push Notificationサービス(WNS)について詳述している。このサービスはMicrosoft Push Notification Service (MPNS)と似ていて、サービスが利用できるデバイス向けにメッセージを通知できる。
Windows Azure SDK 1.5
- 再設計されたエミュレータ。ローカル環境とクラウド環境をより厳密に一致させる。
- csupload.exeを使ったアップロードサービス証明書のサポート。
- 新しいcsencrypt.exeツール。リモートディスクトップのパスワード暗号化を管理する。
- Windows Azure Tools for Visual Studioの強化。クラウドアプリケーションの開発と配置を支援する。
- ASP.NET MVC3 Web Rolesの作成機能。ひとつのクラウドプロジェクトで複数のサービス構成をサポートする。
- Windows Azureパッケージの検証を改善。.NETアセンブリの不足や不正な接続文字列など、共通のエラーを検出するため。
Windows Azureマーケットプレイス
Windows Azureマーケットップレイスにはふたつの大きな変更が発表された。
- 来月より、マーケットプレイスが利用できる国が25ヶ国増える。
- マーケットプレイスでMicrosoft Translator APIが使えるようになり、マーケットプレイスで35言語の翻訳サービスを提供できる。
Windows Azure Storage。Azure Storageは透過的なレプリケーションをサポートする。この機能はテーブルとBlobデータを同じ地域に属する他のロケーションにバックアップする。
Service Busの9月リリース版
Service Busの新しい機能、キュー、トピック、サブスクリプションは下記のようなシナリオで利用できる。
- 非同期クラウドイベンティング – 断続的に接続してくるクライアント向けの分散イベント通知機能
- イベント駆動サービス指向アーキテクチャ(SOA) – 簡単に機能拡張ができる疎結合のシステム
- アプリケーション間メッセージング– 負荷平準、不可分散を利用した高スケーラブルで柔軟なアプリケーションの構築
Windows Azure Service Management API。Windows Azure Service Management APIで書き込み処理を複数にすることで構成変更やサービス更新や配置のロールバックができるようになる。