9月1日、Googleは公式Blogにおいて、Androidを搭載したNexusフォン2台が最後の有人スペースシャトルミッションST-135で国際宇宙ステーションへと送られたことを報告した。研究者らはロボットがどのようにして
人間の実験を手助けし、もっと効率よく宇宙で生活できるか
を研究しようとしている。
携帯電話を使うことで、SPHERESと呼ばれるロボット衛星に、宇宙飛行士が提供しなくてはならないセンサーデータを収集したりビデオを撮るようなサービスを追加できる。これは注目に値することだ。なぜなら、これまでのプロプライエタリな構成要素だけで作られていたシステムアーキテクチャにおいて、コモディティなソフトウェアとハードウェアがその構成要素になりはじめているためだ。
映画「スター・ウォーズ」から着想を得て、MITのDavid Miller教授はさかのぼること1998年に、自分の教え子たちに5つのバレーボールサイズの自由に浮遊する衛星を作らせた。SPHERES (Synchronized, Position Hold, Engage, Reorient, Experimental Satellites)と呼ばれるこれらデバイスのうち3機は、2006年から国際宇宙ステーション(ISS)にある。
20年以上も前にはじめたことにNASAはまだ注目している。特に、知的ロボティックスグループのディレクターであるTerry Fong氏は、宇宙に滞在する人を支援するロボットに最先端テクノロジーを活用することを研究している。
そこで彼のグループは、ISSにあるSPHERES3機にサムソンのAndroid搭載Nexus Sをつなげだ。各SPHERE衛星は、電源、推進、計算、ナビゲーションといった機能から成るが、機能拡張のための拡張ポートを使うことで、SPHEREにAndroidフォンがつなげられた。
グループのリードエンジニアであるAs Wheeler氏はこう説明する。
SPHERESはもともと別の目的のために作られたため、遠隔操作のロボットになるためにはアップグレードが必要です。スマートフォンを接続することによって、私たちはもっとPHERESを賢くすることができます。スマートフォンを利用することで、SPHERESは写真やビデオを撮る内蔵カメラ、調査を支援するセンサー、強力な計算ユニット、宇宙ステーションや管制センターにデータをリアルタイムに転送するためのWi-Fiコネクションを手に入れるのです。
将来、AndroidはSPHERE衛星を制御して操縦するというタスクも支援できるようになるだろう。さらに興味があれば、SPHERESのサイトを見てみよう。
このことは、コモディティなソフトウェアやオープンソース製品をシステムアーキテクチャにインテグレーションする事例であるだけでなく、今や製品のイノベーションはこれまでのような方法だけでなく、ロケット科学のようなテクノロジーにも影響を及ぼすかもしれないことを明らかにしている。