GoogleクラウドサービスはApp Engine SDKの新しいバージョン(1.5.5)を発表した。リクエストの持続期間が30秒から60秒になり、Python 2.7、Cloud SQL、 Cloud Storage、Prediction APIがGode Labsから現れ、プレミアアカウントも発表された。
App Engine SDK 1.5.5の新しい特徴は下記の通り。
- リクエストの持続期間が30秒から60秒になった。
- アップロードできるファイル数の上限が3,000から10,000になった。
- App Engineにアップロードできるひとつのファイルのサイズが10MBから32MBになった。
- URLフェッチの上限が10秒から60秒になった。
- URLフェッチのポストのペロードサイズのサイズが1MBから5MBになった。
このSDKにはデータストアを使うアプリケーション向けにPython 2.7のランタイムを実験的に同梱している。このランタイムの最も興味深い点はwebapp2フレームワークを含んでいる点だ。このフレームワークはURIのルーティングと例外ハンドリングが改善され、一通りの機能を備えたレスポンスオブジェクトとより柔軟なディスパッチの仕組みを備える。さらにセッションやローカライゼーション、国際化、ドメインとサブドメインへのルーティング、セキュアクッキーなどに対する多くのユーティリティも含む。
The SDK JavaとSDK PythonのページにはこのApp Engine SDKのリリースについてより詳細な情報が載っている。正式なロードマップ(少し古いようだが)にはGoogleがこれからの半年で実装しようとしている機能が記載されている。
- カスタムドメインへのSSLアクセス
- データストアへのフルテキスト検索
- App EngineのデータセットをまたがるMapReduceジョブの実行をサポート
- データストアへの一括インポート、エクスポートツール
- サービス監視とアラート通知の改善
- ロギングの仕組みを改善。サイズとストレージの上限を撤廃する。
Cloud SQL は最近になってCode Labsに追加された。これを利用すればGoogleのクラウド環境でMySQL 5.1.59を動作させることができる。このサービスは2011年末までは無償で利用できるが、制限されたプレビュー版としての提供が終わり、いつから課金されるのは定かでない。Cloud SQLは現在、MySQLのほとんどの特徴をサポートしているがすべてではない。例えば、ユーザ定義関数やDBレプリケーション、LOAD_FILE()やその他のステートメントはサポートしていない。プレビューの間、DBは10GBに制限されている。このデータベースはJDBCを使ってJavaからアクセスするか、DB-API 2.0を使ってPythonでアクセスするしかない。
以前はGoogle Storage for Developersという名で知られていたCloud Storage はCode Labsから昇格してApp Engine Files API経由でアクセスできるようになる。Googleは最初のTBに達するまでの値段を0.13ドル/GB/月にした。これはAmazon S3の値段、0.14ドル/GB/月よりも安い。最初のTBまでのデータのネットワーク転送の値段はAmazonの0.12ドル/GBと同じだ。
Prediction API は5月にリリースされ、新しい機能をふたつ備えてCode Labsを卒業した。PMML v4.01のサポートとデータの以上検出だ。このAPIは“ユーザの感情分析や言語識別、商品のレコメンデーション、メッセージルーティング、不正検出”などから分かる履歴データに基づいた結果予測に使われる。を提供する。この機能はFord社の in an experiment to 走行データを元にした燃料消費の削減の実験に使われたことがある。
またGoogleはプレミアアカウントを発表した。このアカウントは月額500ドルでサポートが受けられ、99.95%の正常動作期間を保証するSLAが得られ、アプリケーションを無制限に配置できる。ただしサポートは月曜日から金曜日の0時から18時(太平洋標準時)まで。従って週末はサポートを受けられない。