iPhone 4S 発表からちょうど1週間 たった今日,Apple は iPhone 3GS 以降と iPod を対象とする iOS 5 を,開発者およびユーザ向けにリリースした。今回のリリースでは Twitter 統合のサポート,任意のアプリケーションとユーザ作成ドキュメント対象の iCloud バックアップサービス,さらに実行 PC がなくてもオペレーティングシステムをネットワーク経由でアップデート可能な PC フリー・アップデートなどが提供される。
開発者の視点からは iCloud と iMessage 用の API が提供され,データストアや他ユーザとの通信を行えるようになる。アプリケーション内でグループチャットを開始することも可能だ (即時フィードバックのための支援機構などで利用できる)。つぶやき (tweet) を個々のアプリケーションから,あるいは Twitter の URL 短縮サービスを使用して投稿できるようにもなった。位置指向サービス向けに GPS 追跡をシミュレート可能なものや,新しいリーク検出ツールなどの開発ツールも存在する。
グラフィックサポートでは OpenGL ES 2.0 にアップデートされると共に,グラフィックゲーム開発用の新 API である GLKit が提供される。開発ツールも Xcode 4.2 にアップデートされ,多数の改良が行われた。その中には,ガベージコレクション的なコードベースとリファレンスカウントのパフォーマンスを両立させるとともに,多くの開発者が慣れ親しんだ retain/release サイクルの指定を不要にする自動リファレンスカウント (ARC / Automatic Reference Couting) も含まれている。AV Foundation ライブラリによって,アプリケーションから Apple TV その他の AirPlay デバイスへのストリーム配信も可能になった。
iOS 5 はリリースと同時にダウンロード提供されている。開発者向けドキュメントとダウンロードは,開発者プログラム登録者を対象として 開発者 Web サイト から可能だ。