アプリケーションライフサイクル管理 (ALM) ツール Tasktop の新リリースは ALM 同期ソリューションのサポートして,可視性とトレーサビリティに関するソフトウェア開発チームのニーズに対応する。Tasktop チームは先月,その Tasktop Sync 1.0 バージョンのリリースを 発表した。
Tasktop Sync は既存の ALM サーバと同期することによって,IT 組織がソフトウェア開発ライフサイクルプロセスの各フェーズで作成するタスクや作業項目,障害,要件,テストなどのさまざまな形式の情報との接続を実現する。また HP ALM,HP Quality Center,IBM Rational Team Concert など他の ALM スタックを所有している組織は,Sync ツールを利用することでツールの境界を越えたトレーサビリティを手に入れることができる。
Tasktop Sync は Eclipse の Mylyn フレームワークに組み込まれている。既存の Task Federation 技術を開発者のデスクトップクライアントからサーバへ移動することによって,プロジェクト成果物のリアルタイムな同期が実現される。すべてのデータが既存の ALM システムに格納されるので,Sync を使用するために新たなリポジトリを作成する必要はない。
Tasktop Sync では ALM アーキテクトまたは管理者が,要件の記録やアジャイル開発,あるいはテスト用のさまざまな ALM システム間のマッピングをセットアップする。例えば,障害項目はアジャイルトラッカと障害トラッカの間で一対一でマップされなければならない,という指定をマッピングで行うことなどが可能だ。Tasktop Sync のキャッシュ構築が完了した後は,テストシステム内で行った変更はアジャイルツールやサーバに伝達される。このため成果物ごとに確認・管理ツールの切り替えを強制されることなく,選択しているシステム内で作業することが可能になる。
Tasktop は先頃,Tasktop Dev 2.1 バージョン (以前は単に Tasktop と呼ばれていた製品ライン) のリリースも発表している。このリリースはMylyn 3.6 の Eclipse Indigo リリースを基盤として,最新のコネクタと新しいアジャイル計画のサポートを含んでいる。アジャイルと従来型という2つの計画プロセスを提供すると同時に,最高の ALM をオープンソース技術と組み合わせて使用することができる。
Tasktop Dev 2.1 の新機能をいくつか紹介する。
- Release Plan のオフライン変更を保存しておいて,後で送信することが可能になった。これによりアジャイルチームは,ネットワークに接続されていない状態でリリース計画を立案することが可能になる。さらにリリース計画を Activity あるいは Assignee によってグループ化することも可能だ。
- カンバンのサポート: 計画ツールでストーリボードや仕掛かり(WIP)制限など,カンバンの機能がサポートされるようになった。
- HP ALM がサポート対象となり,HP ALM Test と HP ALM Defect,および Requirement を Task List に取り込めるようになった。さらに HP ALM Workflow も新たにサポートされている。
- タイムトラッキングレポートにツールバーからアクセス可能になった。
- Tasktop Support for Visual Studio では Tasktop Companion Application のオープンと,タスクの関連の確認が可能になった。
今週水曜日には Webinar も予定されている。開発と OA,そしてアジャイルプロジェクト管理の関係者たちを Tasktop Sync がいかに結び付けるか,Tasktop CEO の Mik Kersten 氏が説明する予定だ。
Srini Penchikala 氏は現在,セキュリティアーキテクトとして活動している。氏はまた,ソフトウェアのプロダクト管理においても 17 年の経験を持つ。