MonoDevelopチームは.NETとMono開発向けのオープンソースIDEであるMonoDevelopのバージョン2.8を発表した。InfoQはこのプロジェクトのマネージャであるLluis Sanchez氏に今回のリリースやMacやWindowsでMonoDevelopの人気が上昇していることについて話を聞いた。
InfoQ: MonoDevelopは最近立て続けにリリースしています。MonoDevelop 2.8と2.6は両方とも60日以内にリリースされています。このような早急なリリースは元から計画していたのでしょうか。
Llouis Sanchez: ええ、今後も素早いリリースを計画しています。今、開発モデルを変えている最中なのです。新しい機能をブランチで実装することで、マスターブランチを必要な時に素早くリリースできるようにしています。
InfoQ: 事前に決めたリリーススケジュールに合わせてリリースするつもりですか。それともある特定の機能が完成したらリリースしますか。
L.S.: リリーススケジュールは決まっていません。重要な修正や新しい機能が完成したらリリースするつもりです。
InfoQ: MonoDevelop 2.8にはクロスプラットフォームサポートでいくつかの新しい機能と改善が行われています。プロジェクトは主要なプラットフォーム(Windows/Linux/Mac OSX)をまとめて開発していますか。それとも3つ別々に注力していますか。
L.S: XamarinではMacとWindowsに注力しています。この2つが製品がサポートしているプラットフォームだからです。また、openSUSEでのパッケージ構築もテストしています。他のLinuxディストリビューション向けのパッケージにも貢献者がいます。
InfoQ: 一番人気のあるプラットフォームはなんですか。
L.S.: 現時点ではWindowsです。それからMac、Linuxと続きます。以前はLinuxが一番人気でしたが、 UnityやXamarinのような企業で製品開発の環境として使われるようになってから変わりました。
InfoQ: Windowsで人気になったのはなぜたど思いますか。
L.S.: Windowsが増えた理由についてはある程度のことしか分からないのですが、
- Unity経由でユーザが増えた。UnityはMonoDevelopがバンドルされており、多くのWindowsユーザを抱えている。
- 一般的に言えば、MacとLinuxよりもWindowsを使う開発者が多いので、潜在的な開発者数はWindowsが多い。
InfoQ: あなたやこのプロジェクトはUnityのようなサードパーティツールのメーカーにMonoDevelopを使ってくれるよう積極的にお願いしているのですか。それともUnityは有益な副産物として生まれたのでしょうか。
L.S.: 積極的にお願いはしていません。MonoDevelopはオープンソースプロジェクトなので、多くの企業が自由に自分の製品に利用できます。そのような製品開発を支援し、彼らが作ったパッチをMonoDevelopに適用するのは幸せなことです。
InfoQ: 直近の2つのリリース(2.6 & 2.8)の新しい機能の中であなたが最も満足しているのはなんですか。
L.S.: MonoDevelop 2.6はすべての領域で多くの改善がされました。おそらく一番重要なのは統合バージョン管理システムとしてGitのサポートを導入したことでしょう。
2.8は2.6に比べれば小さなリリースですが、重要な新機能(少なくともMacユーザにとっては)を備えています。それはXCode 4のサポートです。この新機能によってMonoMacやMonoTouchアプリケーションをMac OSX Lionで開発できるようになります。
InfoQ: 将来のリリースで盛り込みたい重要な機能は何ですか。
L.S.: いくつかの新しい機能に取り組んでいます。とても面白いのはC#の新しいパーサーとリファクタリングエンジンです。この2つによって、より優れたコード補完とより複雑なリファクタリング処理を実現できます。新しいプロジェクトテンプレートシステムも開発中です。これはオンラインテンプレートをサポートします。MonoDevelopのあらゆる面を改善し続ける予定です。
MonoDevelop 2.8のより詳細な情報は同プロジェクトの"新着情報"ページから確認できる。