今年の始め、VMwareはオープンソースのPaaSソリューションであり、MongoDB、MySQL、Redisなどいくつかのサービスを最初からサポートするCloudFoundryを発表した。最近になってPostgreSQLとRabbitMQのサポートが追加されアプリケーションから利用できるようになり、単一のワークステーションで動作するマイクロエディションも加わった。
PostgreSQLの追加は興味深い。PostgreSQLはMySQLやMongoDBとは異なるユーザを持つ従来のデータベースとしての機能をすべて備えた製品だからだ。公式ブログによれば、PostgreSQLを提供するため、cloudfoundryは通常版ではなく、vFabricをベースにしたカスタマイズバージョンを使っている。
同じ記事でJavaプロジェクトでSpring Rooを使ったPostgreSQLの事例を紹介している。ここではSpringベースのJPAを使ったWAR
のJavaアプリケーションの事例を紹介する。
Springのコンテキストが下記のようにセットアップされたアプリケーションの場合、
<bean id="entityManagerFactory" class="org.springframework.orm.jpa.LocalContainerEntityManagerFactoryBean"> <property name="persistenceUnitName" value="myJpaManager" /> <property name="dataSource" ref="dataSource"/> </bean> <bean class="org.springframework.jdbc.datasource.DriverManagerDataSource" id="dataSource"> <property name="driverClassName" value="org.postgresql.Driver" /> <property name="url" value="jdbc:postgresql://localhost/postgres" /> <property name="username" value="postgres" /> <property name="password" value="postgres" /> </bean> <bean id="transactionManager" class="org.springframework.orm.jpa.JpaTransactionManager"> <property name="entityManagerFactory" ref="entityManagerFactory" /> </bean> <tx:annotation-driven transaction-manager="transactionManager" /> <context:annotation-config />
META-INF/persistence.xml
は、
<persistence xmlns="http://java.sun.com/xml/ns/persistence" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:schemaLocation="http://java.sun.com/xml/ns/persistence http://java.sun.com/xml/ns/persistence/persistence_1_0.xsd" version="1.0"> <persistence-unit name="myJpaManager" transaction-type="RESOURCE_LOCAL"> <provider>org.hibernate.ejb.HibernatePersistence</provider> <properties> <property name="hibernate.dialect" value="org.hibernate.dialect.PostgreSQLDialect" /> <property name="hibernate.hbm2ddl.auto" value="update" /> </properties> </persistence-unit> </persistence>
このアプリケーションはこのまま何も変更せずにCloudFoundryにアップロードできる。CloudFoundryの自動構成機能のおかげだ。
PostgreSQL(MySQLや他のサポートされたサービスも同様に)はCloudfoundryの自動構成機能の恩恵を受ける。特定の条件であれば、コードを全く変更せずにPostgreSQLを使っているローカルのJavaアプリケーションをCloudFoundryへアップロードすることができる。
自動構成はSpring Coreコンテナを使っており、次のふたつの条件が満たさせると動作する。
- あるタイプのサービスはひとつだけあること。例えば、アプリケーションはひとつだけのリレーショナルデータベースサービスを(例えばMySQLやPostgreSQLなど)使っていること。
- Beanに合致する型がひとつだけあること。例えば、アプリケーションコンテキストの中にDataSource用のBeanをひとつだけ持っていること。
この条件が満たされれば、Cloudfoundryはローカルのデータベースの処理をインターセプトして、Springコンテキストに設定されている内容を無視してCloudfoundryサービスを使うようになる。
後はアプリケーションがクラウドにアップロードされたときに、vmcがサービスのバインディングを要求するので、それに答えるだけだ。
より複雑なアプリケーション向けにSpring 3.1は特別なcloud名前空間とランタイムプロファイルサポートを提供する 予定だ。