Microsoftは、 Dynamics CRM 2011ソリューションでのカスタムコンポーネントの開発を加速する新しいツールをリリースした。同時に、Dynamics CRM Onlineのアップデート を公開した。この中には、 改善されたOffice 365との統合やソーシャル機能の追加が含まれている。
CRM Toolkit for Microsoft Dynamics CRM 2011はダウンロードできるパッケージで、 Visual Studio 2010の開発環境に組み込むことができ、カスタムソリューションコンポーネントの作成を効率化する。このツールキットのリリース以前では、Dynamics CRMのカスタム拡張を開発、デプロイするためには、 開発者はスタンドアロンのツールやコマンドラインユーティリティを使わなければならなかった。このリリースにより、開発者は Visual Studio 2010テンプレートを使って、Dynamics CRMカスタムコンポーネントプロジェクトを生成し、作成するカスタムコンポーネントのタイプに基づいてコードスタブを追加し、オンプレミス、あるいはクラウドにホストされた実行環境にコンポーネントをデプロイできる。ツールキットはまた、 Visual Studio 2010に “Explorer” モジュールをインストールするので、開発者は、Dynamics CRMインスタンスを構成する様々な成果物をブラウズできる。
CRM Toolkitは、Update Rollup 5 (UR5)のリリースの直後に、Dynamics CRM 2011の オンプレミス版とSaaS版の両方が入手できるようになった。 今やDynamics CRM Onlineは、Office 365の請求書発行、アドミニストレーション、プロビジョニングプラットフォームを利用できる ばかりでなく、 Exchange Online, Lync Online、SharePoint Onlineと深く統合している。ということは、SaaSユーザーは、オンプレミス版と同じ機能を持つので、 Dynamics CRM 2011使って、メールメッセージを追跡したり、同僚へインスタントメッセージを送ったり、 SharePointライブラリにコンテンツを保存することができる。UR5のリリースによって、ID連携がサポートされたので、 Dynamics CRM Onlineユーザーは SAMLトークン使って、オンサイト証明書をSaaSの認証と連携させることができる。
UR5はまた、ソーシャルコンポーネントのホストを導入したので、Dynamics CRM プラットフォームが競争相手の機能に追いつく助けになる。しかし、UR5に含まれるソーシャル機能は、 Dynamics CRMを“ソーシャルCRM” 製品にするわけではない。このような製品は、公開されているソーシャルメディアネットワークとやりとりして、顧客と関わりあう。そうではなく、UR5のソーシャルコンポーネントは、システムを使っているチーム内での情報共有を改善することに焦点を当てている。この製品の中核は、CRM 2011 Activity Feedsであり、Salesforce.com Chatter 製品に非常に似ているようである。 Activity Feedsのユーザーは、システムの記録を「追跡」でき、個々の活動を公開でき、システム内の活動の「壁」を見ることができ、個々の記録に関連した活動を見ることができる。この機能の重要な点は、もっと迅速に重要なビジネスイベントを表出させ、素早いコラボによってユーザニーズに対処することである。