企業のアーキテクト(EA)は、ビジネスの技術革新にリーダーシップを発揮せずに、似つかわしくもないポートフォリオの強化、標準化、単純化に関係しているようだ。これは、 Forrester分析家の Brian Hopkins氏が 最近のブログ投稿で書いた意見である。
氏の主張は、 Forresterの2011年9月の「EAの状況」調査の結果を元にしている。この調査は、どのEAの目標を最も優先にし、投資しているか、という質問に対するアーキテクトからのフィードバックを見ている。最も優先順位の高い項目は、EAチームのビジネスフォーカスを増すことだった。この項目は、この傾向をはっきり示した前回の報告と一致している。 Forresterのこの調査ではっきりした他の優先順位の高い傾向は、ポートフォリオの単純化、ロードマップの作成、EAプロセスや手法の有効性改善であった。氏が指摘するのは、回答者のわずか37%が「会社が新しい／破壊的な技術を見極め、まとめ上げる方法を改善する」ことを優先課題に挙げた。これは、ビジネス技術の革新をEAプログラムの最優先事項であり、最も成長する領域である、とした他のCIOとEA向け調査と対照的である。
しかし、EAと改革は上手く合うのか？ CapGeminiの Jude Umeh氏は、この件についてウェブキャストで、改革が一般に起こる3つの場所を強調した。新しいマーケット／製品、新しいサービス、生産コストの変化の3つである。彼は、多くの新興の技術潮流は、企業に多大な影響を与える可能性がある、と指摘している。 Hopkins氏の投稿は、 Netflixからの例を使って、いかにクラウド技術を使い、技術主導の戦略がビデオストリーミングを新しい成長性のある製品にし、新興の世界でその会社を助けたかを述べている。EA組織が革新的なIT部門を育てることで、どんな役割を担えるのか？ InfoWorldの2011 Enterprise Architecture Awards が幾つかの緒を与えてくれる。多くの受賞者がロードマップとリファレンス・アーキテクチャによって価値を示し、First Data は、これらの成果物を使って、技術選定の調整において、主導的な役割を演じた。彼らの受賞理由が戦略的ロードマップによる改革の推進における彼らの役割を物語っている。
このロードマップのオーナーとして、EAは開発者やベンダーパートナーとの効果的な協調を保証する責任があり、確実に新規技術の利益を効果的に捉え、会社が常に技術の限界を破り、内部の能力を発展させ、将来製品の開発を推し進めていくことを確実にしなければならない。この中には、社内のプライベートクラウドの活用とともに、プロビジョニングの自動化、リアルタイムコミュニケーションサービスの統合（IM、テレプレゼンス 、ビデオ会議）、コンシューマ技術（iPad）の展開、IBMの Watson技術を使って、120TBの企業データを管理し、統合ウェアハウスに移行していくことを含んでいる。
EAチームは、技術向上の役割を担っていると期待されているようだが、 Hopkins氏は役割を期待と和らげている。 別のブログポストで、組織はEAチームが改革の源である、と期待すべきでない、と彼は言っている。
最高の技術改革者は、解決すべき問題を持っているユーザーです。自分の生活に影響する特定の問題を解決しようとする動機が一番の要因です。EAだけでは、このような問題を持ち合わせていません。彼らは、ビジネスと技術の間の橋渡しの機能であり、ほとんどの場合、彼らが解決しようとしていることは、他の人の生活に影響することです。
Hopkins氏は、EAチームが改革の源であるとは信じていないが、彼がEAチームに頑張ってほしいのは、組織で改革的なことをする人々を見つけることである。 Enterprise Architecture Awardの受賞者をみると、ビジネス側と緊密に協力し、強力な参照アーキテクチャモデルを持つEAチームは、改革的な技術をもっと簡単に吸収し、影響する領域を見極めることができるようである。