Apache Wicketプロジェクトはバージョン1.5をリリースした。Wicketはコンポーネント指向のJavaウェブアプリケーションフレームワークだ。主要な変更点は、
- 4つの新しいHTML 5コンポーネントのサポート(EmailTextField, NumberTextField, UrlTextField and RangeTextField.)。それぞれ、HTML5で定義されているクライアントサイドの機能に対応している。
- メッセージ/イベントモデルの改善。コンポーネントはEventSinkとEventSourceの仕組みを通じてメッセージ/イベントを交換する。これらのインターフェイスは既に標準のWicketのクラスに実装させている。Component、 RequestCycle、Session、Applicationクラスだ。
変更リストにはコンポーネント描画の統一やキャッシュ、RequestCycle フックアップなどの話題も網羅している。
他にも小さな変更がたくさんある。開発者が知っておくべきことは、
名前がwicketからwicket-coreになる。Wicketを含むMavenベースのプロジェクトは下記のように名前の変更をする必要がある。
<dependency> <groupId>org.apache.wicket</groupId> <artifactId>wicket-core</ artifactId> <version>1.5.3</version> </dependency>
続けてWicket 1.4からJava 5へアップグレードする場合、このバージョンはservlet-api2.5の仕様をサポートするサーブレットコンテナが必要だ。deprecated in Wicket 1.4でdeprecatedにマークされていた機能はすべて取り除かれた。また、WicketはJunit 4.xに依存している。
リクエストパラメータ(GETまたはPOST)の型についての情報が使えるようになった。
//GET request StringValue parameterValue = RequestCycle.get().getRequest().getQueryParameters(). getParameterValue( parameterName); // POST request StringValue parameterValue = RequestCycle.get().getRequest( ).getPostParameters(). getParameterValue( parameterName);
XMLのプロパティファイルが.xmlから.properties.xmlに変わった。内容の記述を改善するためだ。
2年以上の開発を経て、深いところまで変更された結果、古いバージョンと新しいバージョンが共存できなくなった。アップグレードしたいのなら、すべてのWicketライブラリを1.5.xに更新しなければならない。
1.5.xリリースの開発は続いているが、フレームワークの開発者は既に次のリリースのロードマップについて議論している。
更なる情報はWikiやリファレンス、Javadocsで確認できる。バグや問題はWicket issue trackerで報告できる。