C++の代替言語Dの作成母体であるデジタルマーズがDのオリジナルバージョンを打ち切ることを決めた。彼らは2007年以来D1をその後継であるD2とともにメンテナンスし続けてきたが、D2が今や十分に地歩を固めているため、2012年12月以降古い言語にリソースを投入するのはもはや適切でないと感じている。
その発表の中で、Andrei Alexandrescu氏は次のように書いている:
D1をフェーズアウトさせることは私たちのビジョンを際立たせるだけでなく、Dの2つのもっとも大きな課題:(1)コンパイラ実装の質と(2)標準ライブラリの幅広さ、に集中するためのかなりの時間をあけることになるだろう。これらの2つの問題によってユーザがDの中核資産のすべてに完全に入り込むことを妨げている。それらは表現力に影響する、なぜなら動くように見えるコードが動かなかったり、醜い回避策を強制することになるから。それらはモデリング能力に影響する、なぜならバグは言語の真に創造的な活用を妨げ、標準ライブラリの欠落は構築時に使う"れんが"を制限するから。そして、それらは効率に影響する、なぜなら品質の良いコンパイラとよい標準ライブラリは効率のよいコードを書く上で根本的な要素であることに疑いの余地はないから。
Dが特徴的なのは、Cのようなシステムを持ち、安全性に関する関心をずっと高く持っていることにある。“const”に加えて、“pure”、“safe”、“immutable”といった宣言をサポートし、デフォルトではスレッド間で共有できるのは不変オブジェクトのみである。たいていの最新の言語と同様に、初期化されていない値を読むことはできず、クロージャのサポートがあり、メモリリークの可能性を減らすためにガベージコレクションを利用する。