パリで開催されたLe Web 2011カンファレンスにおいて、Forrester Researchのチェアマン兼CEOのGeorge Colony氏はInternetとWebに関する思考モデルのほとんどは時代遅れであると語った。彼はソフトウェアアーキテクチャとしてのWebと組織フレームワークとしてのInternetを区別した。さらに、ユーザはすでにソーシャルネットワークモデルにひたっていると言う。エンタープライズソーシャルは大きな新しいチャンスかもしれない。しかしColony氏によると、本当に大きな次の波はApp Internetだそうだ。
このモデルは、強力なローカルデバイス(PC、スマートフォン、タブレット)でWeb/クラウド上のリソースをうまく同時に利用したアプリケーションを動かすものです。このモデルを実際に見たければ、iPhoneやAndroidアプリをご覧ください。
Colony氏は、自身がMicrosoftモデルやWeb/クラウドモデルと呼んでいる古いモデルは、もはや適してはいないと言う。
「Microsoftモデル」 … これはローカルにあるパソコンがほとんどの仕事をします。第二のモデルがWeb/クラウドモデルで、これはほとんどの仕事がリモートサーバでなされます。… Microsoftモデルはクラウドにおける規模の経済を利用できないでいます。Web/クラウドモデルはローカルストレージやプロセッサの指数的な性能向上を利用できないでいます。
これに関して、Colony氏はWIRED MagazineのChris Anderson氏とMichael Wolff氏による記事を紹介した。
最近彼がブログに書いたように、GoogleはApp Internetにある情報が簡単に検索できないという課題に直面するだろう。Microsoftはデバイス中心のOffice戦略にフォーカスし続けるだろう。そして、Appleは進み続けるだろう。SaaS市場では「食われる」プレイヤーもでてくるだろうが、Flipboardのような新規参入が人気になるだろう。
Forrester ResearchはApp Internet市場は22億ドル規模になると予測する。
多くの有名な格言が諭しているように、未来を予測することほど難しいものはない。Colony氏の主張の多くは興味深く、納得のいくものだが、Web全体が本当に予測通りに発展するかは疑問だ。これには特に破壊的なテクノロジーを保っている。10年前、App Internetを予測した人はいるだろうか? おそらくいないだろう。そしてApp Internetとは一体何なのだろうか? Forrester CEOはこれをあまり具体的に定義していない。にもかかわらず、ソフトウェアエンジニアリングとアプリケーション配布の新しい方法について検討し、IT業界をまんべんなく見渡しておくことは重要だろう。ソフトウェアアーキテクトや開発者は、少なくとも自らのアプリ開発スキルの能力向上について考えるのがよいだろう。