IBMは1月4日、クラウド・SOAインテグレーションサービス企業 Green Hat を買収することを発表した。クラウドやSOAベースのアプリケーションを開発する上で、テスティングは大きな課題の1つだ。Green Hatを買収することで、IBMは大規模ソフトウェアシステムなどに向けて、さらに生産性の高いテスティング方法を提供することを期待している。IBMによると、Green HatはIBM Rational Solutionに統合されるようだ。
Green Hatは1996年の創業で、英国ロンドンと米国デラウェア州ウィルミントンに本社を置いている。この会社は以下のような市場にフォーカスしていると説明している。
私たちは、インテグレーション、BPM、政府機関向けプラットフォームに関するテスティング要件の違いについてよく理解しています。Green Hatは具体的な機能やプロセスをベンダーごとのソリューションとして設計し、ユニットテスト、機能テスト、インテグレーションテスト、レグレッションテスト、パフォーマンステスト、仮想アプリケーションテスト、ランタイムテストなどを含むライフサイクルカバレッジを保証します。
この目的のために、Green Hatは現在次のような製品を提供している。
- GH Tester。SOA、BPM、インテグレーション課題にかかわるプロジェクトの機能テストを自動実行。
- GH Performance。GH Testerにパフォーマンステストを追加。
- GH VIE。環境をシミュレート。
Green Hatは、IBM、Microsoft、SAP、Software AG、Sonic、Tibco、Oracleといった企業の技術を使ったテスティングソリューション経験が豊富であるとうたっている。そして、このような大規模ソフトウェア開発プロジェクトを支援するために、前述の製品ポートフォリオを開発した。
IBMのKristof Kloeckner氏 (General Manager, IBM Rational) はこの買収の動機をこう説明する。
この買収は、企業がソフトウェア開発コスト、テストサイクル時間、リスクの管理方法を変えることで、ビジネスの機敏さとソフトウェアの品質を高めるなかで、IBMのリーダーシップを広げるものです。また同時に、クラウドのような柔軟なオプションも含めて、アジャイルソフトウェア開発およびテストに現在利用できる最も完成されたソリューションを提供します。Green Hatのアプリケーション仮想化機能は、顧客によるビジネスクリティカルなソフトウェアの実現を加速するのに役立つでしょう。
詳細についてはまだよくわからない。したがって、Green HatのポートフォリオがIBMのポートフォリオにどのようにマージされ、テスト観点で顧客の生産性を高めるのにどう役立つのかは不明だ。
少なくともIT業界は、まだ雲の中にいるようだ。