HPは標準のLinuxカーネルを使うことで、webOSが広範囲に採用されるようにすることを決めた。主要な全てのブラウザー上で動くのが、Enyo開発フレームワークである。Enyo 2.0はオープンソース化された。
Enyo はオブジェクト指向のJavaScriptフレームワークで、当初 webOS とwebKitがターゲットであった。昨年の12月にHPは webOSをオープンソース化する アナウンスをした後に、webOSが広く使われようにするために、Enyoを主要な全てのブラウザーに移植し、webOSを標準のLinuxカーネルの上に作ることを決定した。最初の段階は達成されている。HPは Enyo 2.0をオープンソースにし、このコアなJavaScriptライブラリは、現在 Chrome, Safari, IE、Firefoxのモバイルとデスクトップの両方のバージョンで動く。 Enyo 2.0にはUIツールキットが抜けている。これが複数のブラウザーで動くにはもっと開発が必要である。しかし、1ヶ月でリリースすることを約束している。Enyoベースのアプリケーションは、PhoneGap経由で iOS/Android/WP7のネイティブアプリとして走ることもできる。この 例でそれがわかる。ある開発者は、Paper Mache アプリをGoogleモバイルOSに移植して Android Marketに出している。
Enyoの哲学は、開発者が幾つでも他のコンポーネントを持つことができるコンポーネントをベースにした、大きなアプリを作れるようにすることである。ソースコード付きの幾つもの例とブラウザーでの結果が Enyo Samplesでアクセスできる。Enyoのコア機能は13kBのzipファイルにまとめられ、その小さなサイズのためにモバイル開発には魅力的である。
HPはwebOSの今後の計画を詳しく述べている。
- HTML5(Canvas と 3Dテクスチャを含む)、 Flash、Silverlightのサポートに加え、マルチタッチを含むアプリケーションインターフェースをサポートする WebKitディストリビューションのリリース
- webOSは標準Linuxカーネルを使うことで、それが走るデバイスをものすごく広げることができる。 HP CTOでOSDL (Linux Foundation)の役員メンバーである Sam Greenblatt氏が、現在 webOS戦略を率いている。
- webOSは現在使用しているDBに代わって、GoogleのオープンソースLevelDB、組込みのキー-値データストアを使う。
- Ares 2は Enyo 2をサポートする予定である。AresはブラウザーベースのIDEで、webOS用のアプリケーションを開発するのにドラッグアンドドロップをサポートする。
以下のテーブルがこれから数ヶ月間のwebOSの詳細なロードマップである。
webOSがオープンソースになれば、Open webOS と呼ばれ、恐らく Enyo 2.0と同様に同じライセンス、すなわち Apache License 2.0のもとでライセンスされるだろう。