ApacheはHTTP Serverのバージョン2.4をリリースした。これにはパフォーマンスの改善、並行処理の強化、非同期I/Oサポート、リソースフットプリントの削減などが含まれる。
組織の創設と深い関係のある(もともとこのソフトをサポートする組織として生まれた)HTTP Serverの17周年を祝い、Apache Software Foundation (ASF) はそのバージョン2.4を発表した。これは前回のメジャーバージョン(2.2)が2005年12月にリリースされて以来6年ぶりで、そのあいだ22のマイナーリリースがあった。
リリース文によると、このバージョンは「クラウド環境に理想的に適した」もので、パフォーマンス、セキュリティ、リソースフットプリントを改善する数々の機能を備えているという。
- パフォーマンス改善
- メモリ使用量の削減 – バージョン2.2の必要メモリ以下
- コンパイル時にビルドし、実行時にロード可能なマルチプロセッシングモジュール
- 非同期read/writeのサポート改善
- 新モジュールと従来モジュールの強化
- 高トラフィックなサーバおよびプロキシのためのキャッシュサポート改善
新機能の全リストには、バージョン2.2以降に追加、改善された機能が網羅されている。Apacheは開発者がこの最新バージョンにアップグレードすることを推奨している。
2012年1月にNetcraftが実施した582,716,657サイトの調査によると、Apache HTTP Serverは全ドメインでアクティブなサイトの57.93%で使われ、上位サーバーの64.91%で使われているそうだ。MicrosoftのIISは2008-2009年はApacheに迫っていたが、今ではアクティブなサイトの12.14%を占めるにすぎない。nginxはIISとほぼ同等の12.18%で、アクティブなサイトの7.90%を占めGoogleのサービスを動かしているGoogle Web Serverをしのいでいる。パフォーマンスがよいことを理由に、Apache HTTP Serverからnginxに乗り換える人もいる。これに対して、ASFはこの最新バージョンを使ったベンチマークテスト結果 (PDF) を公表した。ここでは平行処理に関してhttpdはnginxと同等、トランザクション実行時はhttpdの方がよいと結んでいる。