ソフトウェア開発の世界において、アジャイルのプラクティスと技術が円熟していくにつれて、ビジネスの世界ではアジャイルの影響を感じ始めている。最近のForresterのリポートによると、昨日までのアジャイルはソフトウェア開発を改善するものであったが、今日の挑戦や好機といったものは、利益を導き出すようにソフトウェアのバリューチェーン全体を変容させることにある。このような方向性の変換は、資本の予算編成やベンダ管理、製品管理、ステークホルダのフィードバック、そして、運用にも影響を及ぼす。リポートでは次のように述べている。
最初の頃から、アジャイルの最終的なゴールはより高い価値を持つソフトウェアを提供することでした。しかし、このゴールに到達するために、アジャイル実践者たちは、最初にソフトウェアの価値に関わらずにソフトウェアを構築できる開発チームを作らなければなりませんでした。これらの変化は、バリューストリームの他の部分に騒ぎを引き起こしました。そのため、私たちが今生きている時代である、アジャイルの歴史の次のステージのゴールは、開発チームと他のグループがどのように共に働くかを定義する新しいプラクティスを実践することです。リーンの考え方は、継続的に納品したり、ユーザエクスペリエンス(UX)を改善したりするような新しいプラクティスを実践し、この段階を浮き彫りにします。
アジャイルの新しいステージとは、チームがソフトウェアをより良く構築できるようになることに関するものですが、ビジネスの他の部分を進めることにもなってきています。だから、今日、アジャイルでは2つの状態が同時に起こっています。従来の状態では、ほとんどの企業が、アジャイルを新しいソフトウェア開発アプローチとみなし、「私たちはアジャイルでなければなりません。」と言います。そして、もう1つの状態では、ポートフォリオ管理、プロジェクト管理、ベンダ管理、契約などの組織内の分野で、企業がアジャイルを適用しています。
最近出されたアジャイルマニフェスト10周年 と、それに続く ふりかえり と、将来に対する 注目すべき4つの主要分野は、この新しいパラダイムをターゲットにしている。
アジャイルの未来は、ソフトウェアの創造やITグループの境界を越えて展開しなければなりません。大体、話をするほとんどの企業は、アジャイルのITプラクティスを採用するつもりだと言います。そして、チームを組織化したり、複雑なプロジェクトで協力したり、変化する要求に対して継続的に応えたりすることを、アジャイルの動きの中で学ぶことを選び、企業全体が運用する方法を再設計するためにこれらの原則を適用します。
しかし、アジャイルがビジネスの世界に入って行くにつれて、変わらないまま生き残れるのだろうか? そんなことはないだろう。マニフェスト自体は、Scott W. Ambler氏や他の人々から提案を受けて、ソフトウェアに注目することをやめて、もっと一般的に適用できるように見直し、結局、今のところはマニフェストをそのまま残すことに決まっている。
技術や能力もプレッシャーに直面している。2010年頃までには、アジャイルのコーチングが増え、PMIによるアジャイル認定が認識されて導入されたり、ICAgile のようなグループによる他の役割へのアジャイル認定が拡大されたりして、この新境地を受け入れるためにアジリストたちがどのように進化しているかを明らかにしている。
ビジネスの世界が新しくできた珍しいものについて熟考している間に、地面は足元で動いていたのかもしれない。最近のStoos のイベントは、ビジネスや企業文化を通して、アジリティの天井を大きく変える独創性に富んだ出来事だと証明するものだろう。