Caucho TechnologyによるウェブサーバおよびJavaアプリケーションサーバ Resinがこのところメディアの注目を集めている。NetcraftとGartnerが製品について紹介したためだ。Cauchoはビジネスを始めてもう14年を超え、これまでResinの比較的大きなインストールベースを築き上げてきた。そのなかにはBebo、CNET、Motorola、Salesforce.com、Openwaveなどが含まれる。
61,200万以上のサイトを調査したNetcraftのレポートによると、
Resinアプリケーションサーバはこの12か月で大きく成長しており、2011年2月に480,000ホストだったのが、2012年2月には4,700,000ホスト(マーケットの0.77%)、約10倍になっています。
「カンファレンス、引き合い、増加する販売(売上げ)」を通して関心度も高まっているようだ、ResinのチーフアーキテクトであるScott Ferguson氏は語った。
Cauchoは2011年中頃にResinをJava EE 6 Web Profile準拠にした。ベンダーによると、これはマーケットに肯定的に受けとられたようだ。しかし、
... 準拠したことよりも重要なのは、Web Profileによって顧客のニーズに集中できたことです。たとえば私たちはWeb Profileにない不明瞭な企業向け機能に時間を費やすことなく、ヘルス&モニタリング機能、クラウドへのデプロイメント、パフォーマンスの改善に注力できたのです。
CauchoはResinのパフォーマンスも強調している。彼らのJavaベースのPHPエンジンQuercusは標準のPHPよりも高速であり、彼らのウェブサーバはApache httpdよりも高速だと主張している。こうした主張は主に内部ベンチマークによるものだが、彼らはその大部分を公開する計画だ。
私たちはパフォーマンスに関してnginxと競うことに注力してきました。nginxに勝つことはApache httpdに勝つよりもチャレンジングなことだからです。今のところ、nginxよりも速いケースもあれば遅いケースもあるので、まだそこまではいっていません。でも、このチャレンジはエンジニアリングを面白くしてくれます。
ResinのコアネットワークライブラリはCで書かれていて、非常に最適化されています。JavaはResinに機能を提供するOOP層であり、CはResinを高速化するものです。この層の上に、私たちは分散キャッシング、クラスタリング、セッションレプリケーション、サーブレットエンジンなどを構築しています。
Cはスピードを、Javaは複雑なシステムを構築するためのOOPと構造を与えてくれるのです。
その一方で、Gartnerの2011年9月Magic Quadrant for Enterprise Application Serversでは、Cauchoは「ビジョナリー」に置かれ、「世に認められた総合的な製品と比べて、通常はより小規模な費用で、高度に差異化したEASで秀でることに投資している比較的小規模のイノベーター」だと説明している。
Gartnerはやや肯定的な評価として次のように述べている。
マーケティング資金不足が、この会社のEASマーケットにおけるマインドシェア拡大を阻害しています。マーケットシェアと知名度の拡大の大部分は口コミによるもので、この会社のマーケットへの浸透はApache TomcatやMortbayのJettyに後れをとっています。
「Gartnerの主張には賛成しかねます」Ferguson氏は語る。「でも、私たちの時間の大半をマーケティングに費やすより、製品をよくすること、WebSocketsのような最先端の技術を探求することに関心があるのは確かです。プライベート企業である恩恵のひとつは、エンジニアリング集団でいられることですね」
Resinは2つのバージョンを提供している。CPU(4コアまで)あたり$699のResin ProfessionalとResin Open Source (ライセンスはGPL)だ。Resin ProfessionalとResin Open Sourceの主な違いは、サポート、クラスタリング、管理にある。製品はここからダウンロードできる。