オーストラリアのUMLツールベンダであるSparx SystemsはEnterprise Architectバージョン9.2を発表した。新しいバージョンには強化されたシュミレーション機能やオンドロジーの記述などがサポートされている。
エンジニアが好むかどうかにかかわらず、現在ではモデリングソフトウエアにとってUMLが標準だ。結果、ほとんどすべてのモデリングツールがUMLをベースにしている。Sparx Systemsはこの分野で最も成功したベンダだろう。Enterprise Architectが多くの企業で使われているのもここに理由がある。
モデリングの課題のひとつは抽象性だ。特に様々な制約が関係する場合が課題になる。システムの主要な特徴が動的に変わる場合、静的なダイアグラムを利用するだけでは不便だ。ステートマシン図を使ってモデル化できるシステムの理解をサポートするため、Enterprise Architect 9.2ではシュミレーション機能が強化されている。この機能は組み込みシステムを開発する時に便利だ。同社もOOP 2012 conferenceでデモをしている。
また、新しいバージョンでは、以下の機能がサポートされている。
- ベースラインダイアグラム比較。現在のモデルとベースのモデルの違いを可視化できる。
- ODM (オンドロジ記述メタモデル)を使ったオンドロジの定義。ODMはOWLやRDFといった標準をサポートする。
新しいバージョンに興味のあるエンジニアはトライアルバージョンを試してみるといいだろう。