近頃はWindows 8 Metroを重視しているMicrosoftだが、自身が「ネイティブデスクトップアプリケーションを構築するのに最も機能が揃ったライブラリ」であると語るMFCを今後もサポートするという約束を新たにしている。大きな機能は発表されておらず、バグ修正と一般的な改良に力が注がれている。
Visual Studio 2010では、静的リンクされたMFCアプリケーションのサイズが非常に大きかった。MicrosoftはVisual Studio 10をリリースする直前まで、この欠陥の原因を見つけることができなかった。ソースモデルを再構築することによって、単純なダイアログベースのMFCアプリケーションなら80%、サイズを削減できる。ダイアログにMFCコントロールを使ったアプリケーションはこの効果を得ることができない。互換性の問題により、この修正をVisual Studio 10にバックポートできないためだ。
その他の改良には次のようなものある。
- afxGlobalDataの初期化を遅らせることで、DLLMainのベストプラクティス違反を修正した。
- 220を超えるバグを修正した。そのうち100近くがConnect Webサイトを通じて顧客から報告されたものだ。
- 多数のプリント/ドロー問題を修正した(ツールバー、スプリッター、テーマスイッチなど)。
- いくつかのメモリーリークを修正した(CMFCVisualManagerクラスおよびCMFCButtonクラス)。
- 欠けていたエクスポート(メソッドおよびデータ)をMFCインポートライブラリに追加した。
1992年、Windowsアプリ開発を簡単にするためにMFC(Microsoft Foundation Classes)の最初のバージョンがリリースされた。MFCが登場する以前は、Windows開発者は大幅に制限されたVisual Basic 1.0を使うかCと生のWindows APIコールを使って、苦労してアプリケーションを構築する必要があった。MFCはキーテクノロジーの一つとして見なされ、WindowsがIBMの多大な資金が投入されたOS/2オペレーティングシステムを打ち負かす原動力となった。