MicrosoftはWindows Management Framework (WMF) 3ベータをリリースした。これには、PowerShell 3と更新されたWMIとWinRMが含まれている。
WMF 3 CTPが発表されたときの記事で紹介したように、PowerShell 3にはいくつかの新しい機能が含まれている。
ワークフローは並列で長時間実行されるタスクを作成するのに利用できる。マシンがシャットダウンしたときにも、中断とリカバリを行ってくれる。この機能はWindows Workflow Foundation (WWF)の利点を利用している。PowerShellスクリプトがWWFのコードに変換され、ワークフローが作成される。同様に、強化されたセッションによってネットワークの切断やシャットダウンからのリカバリが改善された。
PowerShell 3はDynamic Language Runtimeを使っている。このランタイムはPowerShell 2から性能が大幅に改善された。パーサーが書き直され、APIが公開された。Adam Driscoll氏はこの改善について書いている。
CompilerクラスはICustomAstVisitorインターフェイスを継承しています。ということはコンパイラはASTにどのように動作するべきか通知できます。このクラスのメンバを調べたあと、Compileメソッドを呼んでみました。このメソッドはASTを受け取り、式を返します。つまり、コンパイラはASTの各ノードを走査して、LINQ式木にコンパイルするのです。これはすごい仕組です。この式がコンパイルされ実行されます。... これがDynamicMethodとして現在のプロセスに保存されます。既にコンパイルされているので、再度解釈する必要はありません。
加えて、新しいIntegrated Scripting Environment(ISE)アドオン(PowerShellのServer Manager経由で利用できる)を使えば、ユーザは簡単に正しいコマンドを見つけられ、シンタックスや必須パラメータやオプションパラメータを確認できる。ISEはIntelliSenseもサポートしており、コマンドを直接ISEから実行することも、スクリプトに挿入することもできる。
WMF 3ベータリリースには更新されたWindows Management Instrumentation(WMI)とWindows Remote Management(WinRM)も含まれる。新しいServer Manager CIM ProviderはWindows Server 8ベータのWMFからWindows 2008サーバを管理するのに利用できる。また、MicrosoftはWindows PowerShell Web Serviceを導入した。これはPowerShellのコマンドレットをRESTfulインターフェイスで公開したウェブサービスだ。これによって、現在ではWMFをサポートしていないクライアントもODataプロトコルを使ってWMFの機能を利用できる。
WMF 3はWindows 7 SP1、Windows Server 2008 R2 SP1、Windows Server 2008 SP2で利用できる(32ビットと64ビットバージョンの2008 SP2がこのリリースでサポートされた)。これまでのところ、古いOSで利用できるかどうかについては今のところ、Microsoftから発表はない。PowerShell 3はWindows 8ベータにも同梱されている。