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デイリースタンドアップ/スクラムはスクラムマスタのためのものではない

原文(投稿日:2012/04/18)へのリンク

Mike Cohn 氏は,デイリースクラム (あるいはスタンドアップ) はスクラムマスタのためのものではない,と主張する。管理者向けの "状況報告会" ではない,チームメンバが作業を同期させるための会議の場として見るべきである,と言うのだ。

私はデイリースクラムを,調整のためのミーティングであると考えています。チームメンバが個々の作業,つまり昨日行ったこと,今日行おうと考えていることの同期を図る場なのです。そうでしょう? しっかりしたデイリースクラム (デイリースタンドアップ) ミーティングは,出席者に活力を与えてくれます。会議が終わるころには,他のメンバの進捗から大きな刺激を受けていることでしょう。

Shane Hastie 氏も同じような観点でこれに 同意している。マネージャによる状況確認はデイリースタンドアップでは偶然の産物である,というのが氏の意見だ。

デイリースタンドアップの第1の目的は,チームメンバそれぞれが持つタスクの進捗状況に関して,互いにコミュニケーションを交わすことにあります。リーダあるいはマネージャが状況を確認するというのは,その副産物に過ぎません。マネージャのためのミーティングではないのです!

リーダへの報告 というのは,デイリースタンドアップの実施方法としてはアンチパターンのようだ。

チームメンバがチームではなくマネージャやミーティングのリーダを向いて話をするような状況は,本来チームのためであるべきデイリースタンドアップが,マネージャあるいはリーダのために行われていることを示すものです。

Mike CohnJason Yip 両氏は,スタンドアップでの報告対象がチームであることを思い出させるための効果的かつ巧妙な方法として,「視線をそらす」ということを提案している。

Mike が次のように説明する。

スクラムチームが状況を報告するとき,スクラムマスタはある意味でマネージャのように見られています。スクラムマスタが報告者と視線を合わせないようにする,という巧妙な方法を使うことで,報告がスクラムマスタに対する一方的なものになることを回避できるのです。

Aaron Sanders 氏は さらに過激な方法 として,チームの自己組織化を促進するためにスクラムマスタがスタンドアップを数回欠席してみてはどうか,と提案する。

もしチームのスクラムマスタが姿を現さなかったら,どうなるでしょう? 何をすればいいのか考えている時間はありません。チームはどのような構成になるでしょうか? 私は実際に,部屋に誰がいるのかに関係なく,スケジュールに従ってミーティングを開始するようにチームを指導してきました。彼らはこの事態,すなわち全員がスクラムマスタであるという状況を理解し,受け入れてくれるでしょうか?

Mike Cohn 氏はブログのコメントで,スクラムマスタも自身の仕事について簡単な状況報告をするように奨めている。

私はスクラムマスタに対して,自身の作業を (簡単に) 報告するように指導しています。例えばスクラムマスタが,報告された問題点を解決したことについて何も言わなければ,他のメンバは問題点を報告しなくなるでしょう。彼らはこう考えるはずです。"誰かの問題を解決してくれたという話のないスクラムマスタに,問題を報告しても意味がないだろう。"

毎日のスタンドアップミーティングが,リーダへの報告の場になることはないだろうか? このアンチパターンを打破するために,あなたが使っているテクニックは何だろう?

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