Microsoftは今週、Windows Azureクラウドを構成する全てのサービス名を変更すると顧客に通知した。これを見て、MicrosoftはAzureというブランドを廃止するのではと混乱する人もいたが、その後、この変更は顧客の請求書に関するものだけで、Windows Azureという名前はそのままであることが判明した。
Windows AzureはMicrosoftが提供するスケーラブルなクラウド製品の様々な組合せの総称だ。Windows Azureには、ストレージのようなインフラストラクチャサービス、アプリケーションインテグレーションやアプリケーションホスティングといった機能を提供するプラットフォームサービスが含まれる。今週顧客に送られたメッセージでは、以下の表を使って、クラウドサービス名が簡潔になったことを説明した。
以前のサービス名 |
新しいサービス名 |
Windows Azure Compute | Cloud Services |
Windows Azure Platform – All Services | All Services |
Windows Azure CDN | CDN |
Windows Azure Storage | Storage |
Windows Azure Traffic Manager | Traffic Manager |
Windows Azure Virtual Network | Virtual Network |
AppFabric Cache | Cache |
AppFabric Service Bus | Service Bus |
AppFabric Access Control | Access Control |
SQL Azure | SQL Database |
SQL Azure Reporting Services | SQL Reporting |
このメッセージは一部の人に、MicrosoftはAzureブランドから距離を置こうとしていると思わせたようだ。著名なMicrosoft関係ジャーナリストであるMary Jo Foley氏は、名称変更の動機を推測した記事を書いた。この記事は情報が得られるたびに更新されていった。彼がMicrosoftのスポークスマンから受けとった最初の回答は、混乱を解消してくれるものではなかった。
Microsoftのスポークスマンはこう回答しました。「MicrosoftはWindows Azureブランドに投資し続けます。そして、お客さまがクラウドからメリットを得られるよう、オープンでフレキシブルなクラウドプラットフォームを提供することをお約束します。現時点でこれ以上の情報はありません。」
この文章は後から、さらに直接的な回答へと置き換えられた。
Microsoftのスポークスマンは元の文章をもっと直接的なものに置き換えかえるよう私に頼みました。「私たちは本日、請求書のサービス名を簡潔にしたことをお客さまにお知らせしました。これはWindows Azureブランドやその名称に何ら影響を及ぼすものではありません。」
その後Windows Azureの公式Twitterアカウントでも変更は単に課金のためだけであると明言した。Windows AzureのMicrosoft MVPであるEric Boyd氏はさらなる分析と過剰反応しないようブログに書いた。
メールにはどこにもWindows Azureの名称がなくなるとは書かれていません。実際、先程の表を除いて、メールにもWindows Azureという言葉が8回も登場しています。しかし、ソーシャルメディアやブロガーたちは、Windows Azureブランドはもはや過去のものだいう陰謀説を広めてしまいました。彼らはまったく全体像を見ていないと思います。Windows Azure Platformサービスの以前のサービス名を見ると、Windows Azure、AppFabric、SQL Azureと大きく3つに分かれています。新しいサービス名では、それら3つが言及されていません。
これはWindows Azureブランドを廃止するという動きではなく、混乱しないようWindows Azureという名前に集約していくという動きかもしれないと思っています。