VisionMobileの新しい調査結果は、開発者がモバイルプラットフォームをどう見ているか、モバイルアプリを開発するためのコストと収益はどうなっているか示している。
モバイルアプリに関する開発コストと収益について、VisionMobileは1,500名を超える開発者を調査した。開発者は世界83か国に及び、北アメリカ、ヨーロッパ、アジアに加え、オセアニア、アフリカ、ラテンアメリカの開発者も含まれている。調査は2012年の4月と5月に実施された。
VisionMobileは過去3年間の開発者マインドシェアインデックスを記録している。これはメインの開発プラットフォームとは関係なく、開発者が使っているプラットフォームのトップ10を示している。次のチャートにあるように、AndroidとiOSは順調に成長しているが、ほかのプラットフォームは徐々に停滞したり、縮小してきている。
調査結果には過去2年間の開発者インテントインデックスのデータも含まれている。これは開発者が使おうとしているモバイルプラットフォームのトップ8を示している。多くのプラットフォームがだいたい同じか減少しているのに対し、Windows Phoneは2012年になって開発者の興味を引いているようだ。
何がプラットフォーム選択の決定要因かという質問に対して、開発者の大部分はプラットフォームの広がりを選んでいる。「デバイスのインストールベースが大きいこと」54%、「開発がローコストであること」43%、「開発環境に慣れていること」31%、「収益が得られる可能性が高いこと」30%、「すぐれたドキュメントや技術サポートがあること」30%。
開発者センチメントバロメーターは、ユーザの広がり、収益、開発コストといった観点から、開発者が主要なプラットフォームをどのように見ているか示している。Androidは収益の観点で最も期待はずれで、iOSは開発コストと学習曲線の点でマイナスだが、その広がりと収益性の点ですぐれていると見られている。Windows Phoneは大きなマーケッートシェアが望まれている。
今年のVisionMobileの調査では、開発者にモバイルアプリでどれだけ稼げるかを尋ねている。アプリ販売で稼げていないと報告している開発者もいるが、4つの主要なプラットフォームのかなりの開発者が、月に1アプリ当たり$500以下のお金を稼いでいる。以下にあるように、開発者の上位5%を除くと、たくさん稼げているのはBlackBerryからで、それにiOSとAndroidが続き、Windows Phoneはかなり離されている。
収益モデルを比べてみると、興味深いことに、人気のあるモデルはお金を生んでいないようだ。
収益モデル | 人気 | 収益/アプリ/月 |
ダウンロード課金 | 34% | $2,451 |
広告 | 33% | $1,498 |
アプリ内課金 | 19% | $3,033 |
フリーミアム(フリーダウンロード、アップグレード課金) | 18% | $1,865 |
サブスクリプション | 12% | $3,683 |
もうひとつ洞察に富むメトリクスがアプリケーションの開発コストだ。一番お金がかかるのはiOSで、かからないのはBlackBerryだ。
VisionMobile Developer Economics 2012の調査結果には、開発者のエコシステム、収益/コストの割合、モバイルアプリ市場、ローカライゼーションに関する情報がいろいろと含まれている。ただし、ほかの調査結果と同様、これをうのみにしてはいけない。世界各地の開発者をかなりカバーしているが、調査はオンラインWebサイトを通した特定の開発者からのものであり、その結果は現実を反映していないかもしれない。とはいえ、少なくとも全体像を大雑把に描くほどには近いだろうが。