Communications of the ACMというウェブサイトの最近の投稿の中で、UC BerkeleyのArmando Fox氏とDavid Patterson氏による「ソフトウェア教育の隔たりを超えて」という記事は、ソフトウェアエンジニアの大学教育と雇用主が実際に期待することの間にあるトレードオフを取り上げている。そして、このギャップを減らす解決策は、Railsのようなツールを使いながらSaaSアプリのアジャイル開発を学生たちに教えることだと提案する。
大学のソフトウェアエンジニアリングとソフトウェアアーキテクチャ教育は、企業では適切ではないとみなされることがある。学生たちがソフトウェア開発のライフサイクル全体の扱い方を学ばないからだ。一部だけの知識を身に付け、全体を知ることはない。 Fox氏とAnderson氏は、SaaSのアジャイル開発が大学でも適切なアプローチになるかもしれないと主張する。これらのツールによって、学生たちはソフトウェア開発のライフサイクル全体を経験できるからだ。アプリはおそらく望ましい手段になるだろう。
学生たちのやる気を出すには、動かさなければならないアプリを作らせるプラットフォームを使うのがよいでしょう。
UC Berkeley大学のソフトウェアコースは、現在、100名以上のシニアとジュニア、また、初級コースは50,000人のオンライン学生が利用できる。
FoxとAnderson氏は、今までの経験から以下の結論を引き出している。
Railsのような生産性の高いツールを用いてSaaSアプリを開発するためにアジャイルを利用し、クラウドコンピューティングを使って分散させることにより、優れたソフトウェアプラクティスを実践して、多くのステークホルダを喜ばせています。
学生たちはこのコースを気に入っています。完成したコードが動き、教授以外の人たちに使われることで、自分たちの作り上げたものに誇りを持つのです。さらに、インターンシップや仕事を見つける手助けとなる経験を得られます。
教授たちも同様です。学生たちは実際に講義で聞いたことを使い、卒業してからも、ケーススタディのアイデアがどれほど本当に生産性を改善するかを経験します。仮想マシンは教授たちの苦労を減らし、さらに、クラウドによってより興味深いプログラミングの課題を出すことができます。Railsのテストとコード評価のツールによって採点できるので、50,000人の学生にMOOCを提供できます。
読者たちはこのアプローチに賛成する。例えば、marie4は次のように説明する。
私はとても肯定的なフィードバックも受けています。(ほとんどは学生で、一部は卒業生でコースを取っている人たちもいます) 学生たちは、教材を実践しながら、新しいけれどもとても実践的なアイデアを学ぶという挑戦を楽しんでいます。すべてを共有し、技術的な手助けを提供してくれるプログラムの作者たちに対して、そのオープンな態度を感謝したいと思います。このコースが提供する仮想マシン(bookware)によって、セットアップやシステムの構築の代わりに、実践して学ぶことに多くの貴重な時間を使えるようになります。この取り組みへの大きな挑戦は、常に最新に保たれていると私は信じます。コースのツールの多くは、私たちが話しながら作っていますから。
Klaus-Erik Schauser氏は次のように続けた。
クラス、本、論文、ビデオの成功、おめでとう!!! こんなに沢山の学生を教えられたなんて、素晴らしい。あなた方を誇りに思います。すべてのコンピュータサイエンスの学生たちはこのようなコースを取ればいいと思います。AppFolioでは、Rails、TDD、Pivotal Tracker、Seleniumなどをここ5年間使ってきました。私たちのチームはこのことをとても気に入っています。私たちは今ではおそらく最大の商用Railsアプリケーションの1つを持っています。今は3番目の製品に取り掛かっています。(最新はwww.securedocs.comです) 2週間毎にリリースして、私たちの顧客はこのリリース方法を気に入っています。アジャイルでいることは、私たちの会社の価値の一部でもあります。
この投稿が示すように、アジャイルで小さなアプリを開発することは、大学のソフトウェアエンジニアリングの教育に対して、将来有望なアプローチとなっている。