最近オープンソース化されたAndroid 4.1、別名Jelly Beanは多くのUI、接続性、サービス、SDKに関する拡張が行われた。これには、よりスムーズなUI、より良いHTML5レンダリング、クラウドメッセージング、パフォーマンス、デバッグツールが含まれる。
AndroidオープンソースプロジェクトのテクニカルリードであるJean-Baptiste Queru氏は最近Jelly Beanのオープンソース化に関してアナウンスした。新しい拡張の多くはユーザーインターフェースに関連したものであり、APIによって支えられている。また、以下が含まれる。
- すべての描画やアニメーションに関するvsyncタイミングに関して16 msのハートビートの利用。
- よりスムーズなレンダリング、スクロール、ページング、アニメーションの為のトリプルバッファリング。
- 指の位置予測や、CPUブーストによりタッチをvsyncにシンクロさせた、タッチのレイテンシー削減。
- 新しいパフォーマンスモニタリングツール、systrace、カーネルデータの収集。これにより、アプリケーションのパフォーマンスの評価を行う事が可能になる。
- 双方向テキストと新しい言語のサポート。
- テキスト、アイコン、ボタンを含んだ拡張可能な通知。
- 改善されたHTML5体験。
接続性に関して、Jelly Beanでは以下が追加されている。
- より簡単なBluetoothを利用したAndroid Beam通信。
- 他のWi-Fi機器によって提供されるサービスにアクセスするために用いられるDNSベースのサービス探索のサポート。
- Wi-Fi Directの改善。予め関連付けられたサービスを探索する事ができるようになった。
他の拡張は以下である。
- Google Cloud Messagingによりアプリケーション開発者はユーザーにショートメッセージを送信する事ができるようになる。
- アプリケーションはGoogle Playを通じて端末に送信される前に、端末固有のキーで暗号化されるようになる。
- アプリケーションの更新の間は新しい少量のデータだけがダウンロードされ、APK全体はダウンロードされない。
新しいAndroid SDK Revision 20は以下の改善が含まれる。
- アプリケーション、Activity、マスター・詳細画面、カスタムビューを作成するための新しいアプリケーションテンプレート。
- すべてのOpenGLコールをトレースするためのGLESトレーサ。
- アプリケーションやツールをデバッグするための端末モニタ。
- Systrace。低レベルのカーネルアクティビティをトレース。
重要な変更点はPlatform Development Kit (PDK)を端末生産者に新Androidリリースの2か月前に提供するというGoogleの計画である。この変更はモバイルOSがアナウンスされてすぐに、選択した端末に対して端末生産者がアップデートを提供できるようにする事を目的としている。これまでは、ICSがリリースされた後、数か月経ってから多くの端末生産者は4.0.1アップグレードに関してアナウンスしており、場合によっては6か月以上も遅れる場合があった。
ICSとAndroidの以前のバージョンではFlashをサポートしていたが、Jelly Beanではサポートされない。AdobeはAndroid向けFlash Playerの開発とテストを停止したため、「Android 4.1向けのFlash Playerの認定された実装は今後存在しない」とアナウンスしている。また、すでにFlash Playerがインストールされている端末を除いて、8月15日以降、Google Playを通じたFlashのダウンロードが利用できなくなる。Flash Playerがインストールされているというのは、Flashがプリインストールされているか、またはユーザーが8月15日以前にFlashをインストールした端末のいずれかを意味する。AdobeはFlash認定されたAndroid端末のリストを公開している。
GoogleはGalaxy Nexus HSPA+端末向けのJelly Bean OTAの利用開始をアナウンスした。Nexus S、Motorola XoomとNexus 7所有者は今月末にOTAを入手できる予定である。