アジャイルソフトウェア開発マニフェストに触発され自らを「アジャイルマーケッター」と名乗るグループが価値について合意し、SprintZeroというイベントでそれをアジャイルマーケティング・マニフェストとして具現化した。SprintZeroとは、サンフランシスコにあるMindjetで開かれたアジャイルマーケティング実践者たちの最初の集まりだ。このオープンで無料のイベントは、Jim Ewel氏、John Cass氏、Travis Arnold氏ら著名なコミュニティリーダーたちを招いて、6月11日に開催された。
この数年、いくつかのアジャイルマーケティング・マニフェストが作られてきたが、SprintZeroに向けて、Travis Arnold氏はこれらマニフェストをまとめて、その価値を集め、アジャイルマーケティング・マニフェストの最初のフレームワークとした。これらの価値はコミュニティによる投票にかけられ、そこで合意された価値がマニフェストに取り込まれた。
私たちはマーケティングに対する新しいアプローチを通して、自分たちの顧客のため、自分たちの組織のために価値を生み出す、より良い方法を見つけ出そうとしています。こうした活動を通して、私たちは以下の価値に至りました。
- 私見や慣習よりも、有効な学びを、
- サイロや階層よりも、顧客にフォーカスした協調を、
- ビッグバン・キャンペーンよりも、適応的で反復的なキャンペーンを、
- 静的予測よりも、顧客発見のプロセスを、
- 柔軟な計画 対 厳格な計画、
- 計画に従うことよりも、変化への対応を、
- 少しの大きな賭けよりも、数多くの小さな実験を、
また彼らは、アジャイルソフトウェア開発原則に触発され、Miguel Tam氏によってマーケティング領域に当てはめられた、アジャイルマーケティング原則の候補もリストアップした。
- 顧客満足を最優先し、問題解決のためのマーケティングを早く継続的に提供します。
- 変化を歓迎し、変化に備えます。変化にすばやく対応できることが、競争力の源泉だと考えます。
- マーケティングプログラムを、2-3週間から2-3ヶ月という、できるだけ短い時間間隔で提供します。
- すぐれたマーケティングには、ビジネス、セールス、開発が密に連携することが必要です。
- 意欲に満ちた人々を集めて、マーケティングを構築します。環境と必要な支援を提供して、仕事が無事終わるまで彼らを信頼します。
- 構築-計測-学習というフィードバックループによる学びこそが、進捗の最も重要な尺度です。
- 持続可能なマーケティングには、一定のペースとパイプラインを維持することが必要です。
- 失敗を恐れていはいけません。ただし同じ失敗を2度してはいけません。
- マーケティング・ファンダメンタルズとすぐれたデザインに対する不断の注意が、機敏さを高めます。
- シンプルさが本質です。
Jim Ewel氏はアジャイルマーケティング活動の背景にある動機についてこう語っている。
古いマーケティングは死んでいますが、だた死んだわけではありません。Marty Smith氏が言ったように、叫んでみてうまくいかないとき、ただ声をさらに大きくするだけの人もいます。私たちアジャイルマーケッターは、マーケティングに変化を求める声が高まっていると主張しています。もっと顧客と同調するよう、もっとパーミッションベースになるよう、もっと透明性を高めるよう、そして、もっとアジャイルになるようにと。
彼らは今秋のSprint1で再び集まり、マニフェストをレビューする予定だ。