Gartnerは今年の1,900以上の技術とトレンドの成熟度や将来性について評価している。これらの技術はハイプサイクルで表現されている。ハイプサイクルには5つの段階がある。黎明期、流行期、反動期、回復期、安定期だ。
The Emerging Technologies Hype Cycle 2012と題した報告の中にはビッグデータ、モノのインターネット、インメモリコンピューティングなどの多くの新しい技術が取り上げられている。HTML5、ハイブリッドクラウドコンピューティング、ソーシャル分析などの技術は流行期に分類されている。
次の表はGartnerが分析したソフトウエア関連の技術だ。Hype Cycle for Enterprise Architecture, 2012、Hype Cycle for Emerging Technologies, 2012、Hype Cycle for Application Architecture, 2012、Hype Cycle for Application Development, 2012, Hype Cycle for Web Computing, 2012、 Hype Cycle for In-Memory Computing Technology, 2012、Hype Cycle for Big Data, 2012などの報告書を元に作成している。
黎明期 |
アプリケーションリリースの自動化 アプリケーションサービスガバナンス EAに対するビッグデータの影響 EAに対するクラウドコンピューティングの影響 クラウド対応アプリケーションプラットフォーム(CEAP) クラウドに最適化されたアプリケーション設計 コンテキストデリバリアーキテクチャ デブオプ EAガバナンス エンタープライズソリューションアーキテクチャ エンタープライズアジャイル開発 |
HTTP 2.0 OLTP向けインメモリDBMS モノのインターネット EAに対するIT/OT Javaエンタープライズエディションバージョン7 EAに対するモバイルの影響 ポータルPaaS 公開Web API EAに対するソーシャルメディア戦略の影響 リアルタイム通信 |
流行期 |
分析インメモリDBMS ビッグデータ BYOD クラウドBPM クラウド並列プロセッシング クラウドソーシング サービスとしてのデータベースプラットフォーム(dbPaaS) 分散バージョニング EA認定 柔軟なマルチテナント機能 インタープライズビジネスアーキテクチャ エンタープライズインフォメーションアーキテクチャ 関数型プログラミング言語 |
HTML5 ハイブリッドクラウドコンピューティング インメモリデータベースマネジメントシステム モバイルウェブアプリケーション NoSQLデータベースマネジメントシステム .NET向けオブジェクトリレーショナルマッピング サービスとしてのプラットフォーム プライベートクラウドコンピューティング セマンティクウェブ SOAテスティング ソーシャル分析 ソーシャルコンテンツ |
反動期 |
クラウドコンピューティング クラウド/ウェブプラットフォーム 継続的統合 サービスとしてのデータベース(dbSaaS) EAフレームワーク エンタープライズマッシュアップ フェデレーションSOA 仮想ディスクトップ サービスとしてのインフラ(IaaS) |
インメモリ分析 インメモリデータグリッド MapReduceとその代替物 モデル駆動アーキテクチャ NFC REST Web 3.0 Web指向アーキテクチャ |
回復期 |
コンポジットアプリケーション コンシューマウェブマッシュアップ コンシュマライゼーション EAアシュアランス エンタープライズアーキテクチャ |
エンタープライズアーキテクチャツール エンタープライズテクノロジーアーキテクチャ イベントドリブンアーキテクチャ ウェブウィジェット |
安定期 |
B2Bウェブサービス カラムストアDBMS モバイルアプリケーション開発プラットフォーム 予言的分析 |
第2世代ポートレット標準(JSR 286とWSRP v.2) サービス指向アーキテクチャ ウェブ分析 |
ハイプサイクルは多様な技術を評価し、技術の成熟度や相性を見て投資するかどうかを判断するのに役立つ。ある技術が生まれたばかりで、黎明期にあるときはその技術を検討材料に入れておくといいかもしれないし、競合に対して優位を得るためにその技術使ってみるという手もある。ただし、まだ未成熟なためリスクは高い。流行期や反動期にある技術はメディアに取り上げられることも多いが、今後数年の間に生き残るとは限らない。回復期や安定期にある技術は、成熟して安定している技術で、投資に適していると判断されたものだ。