Windows Server 2012と共にリリースされるIIS 8には、NUMAのサポートやWebSocket、セキュリティの強化、優れた配置ツールなど興味深い特徴を持っている。
まず、興味深いのはNUMAを意識したマルチコアスケーラビリティだ。
..多くのコアを搭載することで性能が劣化する場合があります。メモリ同期のコストがNUMAハードウエアのコア数の多さの利点を上回ってしまうのです。IIS 8.0はこの問題に対処するためNon-Uniform-Memory-Access(NUMA)ハードウエア上でプロセスの分散と集約を行います。
マルチコアプロセッサを活用するため、IISは予想されるワークロードに応じて2つのモードで動作させることができる。ひとつのアプリケーションプール複数のワーカープロセスを動かすモード(理想的には各NUMAノード上でひとつのワーカープロセスが動く)とひとつのワークロード/サイトで複数のアプリケーションプールを動かす方法だ。また、ノードの最適化の責任割り当て、ソフトまたはハードアフィニティも設定できる。詳細はNUMAを意識したマルチコアスケーラビリティを参照されたい。また、“Introducing Windows Server 2012”というebookはWindows Server 2012がどのようにNUMAハードウエア上で動くかについて書かれている。
その他のIIS 8の特徴については以下の通り
- ASP.NETでのWebSocketのサポート – .NETの開発者は.NET 4.5で導入されたSystem.Web.WebSocketsを利用できる
- マルチテナント環境向けの帯域幅調整の改善
- SSLの処理の改善
また、下記の通りセキュリティも改善された。
- 動的なIP制限。特定の規則を破ったIPの接続を拒否するだけでなく、応答として401、403、404を返すことができる。また、返答せずにコネクションを閉じることもできる。
- FTPログイン制限 (ログイン失敗回数による)
また、IISチームはWeb Deploy 3.0 RTWを発表した。このツールはIIS 8への配置を支援し、下記のような機能でシステム管理者の配置作業を簡単にする。
- dbDacFxプロバイダによるデータベースの増分更新 – SQL ServerとSQL Azure
- 配置の前にアプリケーションをオフラインにする
- パラメータ化の改善 – add/delete/replace xmlの要素の追加、削除、置き換えをする機能
- 自動バックアップ
- サイトの認証方式を変える機能
- PowerShellのコマンドレット
詳細はWeb Deployの紹介という記事で確認できる。