Pradeep Soundararajan氏は自身のブログ“Tester Tested!”で最近、"Story from a company that built "the best software testing tool"(「最高のソフトウェアテスティングツール」を作っている会社の話)という興味深い事例を紹介した。彼はここで、ビジネス理由のためにテスターが手作業の「退屈な」ルーチンワークによるテストを強いられると何が起こるか、について書いている。
これは彼が個人的に目撃したプロジェクトの話だ。ある名高いテスティングツールのベンダーが別のソフトウェア製品のチェック作業を必要としていた。この作業の目的は、特定のリンクがモックにより正しくロードされているかチェックすることだった。このタスクを自動化する代わりに、会社はこの作業をインドのサービス会社にアウトソースした。そのインドの会社のビジネスモデルは次の3つの問いに基づいていた。
この仕事にどれくらいの期間かかるか? 何人分の請求書を送れるか? 収入に関する投資家の質問に答えるのにどれくらい役立つか?
この結果、テスターはページと画像が正しくロードされたか手作業でチェックする必要があるとされた。しばらくして、テスターはルーチンワークによってモチベーションを失った。
同じインドのテスティングサービス会社は、別の顧客から同じようなチェックについて問い合せを受けた。しかし今度は、顧客の方から自動化されたページロードチェックを依頼してきた。そこで、このインドの会社は、Soundararajanによると非常にうまく機能する、自動化ソリューションを考え出した。テスティングサービス会社のだれかが両方のプロジェクトに気づき、ビジネスマネージャらはなぜ手作業のチェックで得られる高収入を断わって両方の顧客に同じ自動化ソリューションを適用しなかったのだろうと不思議に思った。
一方、顧客であるテスティングツールのベンダーはこの事実を認識していた。インドのアウトソーシングパートナーは2番目の顧客の自動化ソリューションを構築するのに彼らのテスティングツールを使っていたためだ。Soundararajan氏によると、彼らはこの事実をテスティングツールの宣伝に使っていた。
Soundarajan氏はこの話から次のような教訓を導いた。
- 人間はしなくてもよかったテストをするようになっている。
- いつ自動化が始まるか - またいつ人間と自動化の比較が始まるか - これはテスティングの理解がどれだけお粗末かを示している
- ビジネス判断がどれだけ退屈なテストになるかを決定する
- たいていの巨大なサービス会社は死にそうなソフトウェアテスティングとやってくるテスターを犠牲にして、その巨大さを維持している。
- ソフトウェアテスティングツールはスプーンとフォークと同じくらい役に立つ - それらは毎日必要とされるが、フェラーリほど高くつくべきでない。
- 世界はスキルのあるテスターよりも力強いテスターを必要としている。したがって、もしテスターをトレーニングしているなら、彼らにテスティングだけを教えてはいけない。
- 時間と引き換えにお金を得てテスターに指名されている人は、もはやテスターではない。
- ほとんどの場合、最高あるいは人気のあるソフトウェアテスティングツールを作っていると自慢している会社は、実際には恥しいところに身を置いている。
- 最高のソフトウェアテスティングツールは常に人間の頭脳である。これは「ノン・シンキング」モードでも動かせ、残念ながら、ほとんどテスターの間で人気のあるモードになっているようだ。彼らはそれでお金を得ているためだ。
何人かの読者がこのブログ記事にコメントしている。たとえばJoe氏はこれは一般的な問題だということに反対意見だ。
これを一般化しないよう気をつけてください。私はかつてテスト自動化ツールの会社で働いていました。自分たちのツールの新バージョンをテストするのに常に自分たちのツールを使っていたという事実を指摘しておきます。
すべてのツール会社が恥知らずなわけではありません。
Mahathi Ramya氏のように、この記事の指摘を支持している読者もいる。
いい記事です.. 私はIT業界で働くほぼ全員が、あなたがここで説明したようなことに気づいていたかもしれないと思います。
以下には、まったく同感です。
たいていの巨大なサービス会社は死にそうなソフトウェアテスティングとやってくるテスターを犠牲にして、その巨大さを維持している。