Syncfusion が Essential Studio for WinRT のベータ版をリリースした。Windows Store アプリケーション構築用に提供されるエンタープライズレベルのコントロールには Excel や Word, あるいは PDF ドキュメントの読み書きを行う XlsIO,DocIO,PDF コントロールなど,20 種類のコントロールが含まれている。
チャートコントロールではラインチャート,エリアチャート,バーチャート,バブルチャート,カラムチャート,ローソクチャート,ハイ・ローチャート,ハイ・ロー・オープン・クローズチャート,ポーラ(極)チャート,ラダーチャート,レンジ・エリアチャート,レンジ・カラムチャート,分散チャート,積み上げカラムチャート,積み上げバーチャート,積み上げエリアチャート,ヒストグラム,スプラインチャート,スプラインエリアチャートなど,20 以上のチャート形式がサポートされる。財務情報のトレンドを可視化するために 10 項目のテクニカル分析指標を備えた専門的な財務チャートや,最大限のパフォーマンスを実現する DirectX レンダリングなども組み込まれている。
ダイアグラムコントロールは,WinRT の稼動するデバイス上で選択や回転,ドラッグ,ズーム,パンニングなどのタッチジェスチャを使用して,UML図やワークフローを直接記述するためのものだ。ビジネスルールを適用したワークフローの検証も可能である。
その他にも マップ (maps) コントロールを使って,ヒートマップやバブルマップでデータを表示することができる。データテンプレートを使用すればマーカ形状のカスタマイズも可能だ。マップデータのファイル格納形式として広く認知されている ERSI シェープファイルへのデータ保存にも対応する。
これまで説明したコントロールに加えて,スイートにはゲージ,ラジアルメニュー,カバーフロー,タブコントロール,ハブタイル,日付ピッカー,時刻ピッカー,レイティング,タイルビュー,レンジスライダ,拡張テキストボックス,数値テキストボックス,ドメインアップダウンと数値アップダウンコントロールなども含まれている。いずれもタッチ操作に最適化されていて,ズームやパン,選択,ダブルタップ,回転やサイズ変更といった,一般的なジェスチャをサポートする。
開発者志望の Miguel Goncalves 氏は WinRT コントロールを使用してアプリを作成したが, Windows アプリ認定キットをパスしなかったため,公式フォーラムにそのエラーメッセージの詳細を投稿した。
Syncfusion の Stephen Jebaraj 氏はこれを確認して,以下のように回答している。
XlsIO と DocIO に問題があることを確認しましたので,できる限り早急にフィックスを提供したいと思います。
氏はさらに,Miguel のアプリが認定キットをパスするための一時的な解決策も提供している。
Syncfusion 副社長の Daniel Jebaraj 氏によれば,Essential Studio for WinRT は go live (直接配信可能な) アプリの構築にも対応する。今後はコミュニティからの提案やバグ修正などに対応して,頻繁にバージョンアップを行う予定であるということだ。