Pex は Microsoft Research が開発した Visual Studio アドイン形式のテストツールだ。マネージドコード全体を走査して，プロジェクトに必要なテストを生成する。さらにコードコントラクトをサポートしており，コードを正しく実行する上で最初に検証の必要な事前条件や事後条件，不変条件 (invariant) などの条件を，アノテーションとしてメソッドに記述することができる。
Pex はコードを詳細に分析して無効なデータとして使用すべき値を求め，適当な事前条件を自動的に追加する。一方ではコードコントラクトが，Pex の行った分析をさらに向上するための付加的な情報やデータを提供する。Visual Studio 上で Pex によって生成されたテストプロジェクトは，ターゲットとして MSTest が設定される。このデフォルト設定は，NUnit など，他のテストフレームワークと同じである。
パラメタライズドテストを行うには，パラメータとして適切な値を渡す必要がある。これは非常に難しい作業である，と Dino Esposito 氏は指摘する。氏の説明によると Pex は，ダイナミックかつシンボリックな実行技術を駆使したイタレーションを採用することによって，適切なテスト値を選択する作業を支援し，開発者のテスト実行を容易にするツールなのだ。
Pex は Web から 無料でチェックアウトすることができる。 提供されるのは Visual Studio 用の Pex パワーツールの簡易版で，コードパズルが含まれている。テスト対象となる C#，Visual Basic，あるいは F# のコードさえあれば，後のすべての処理はクラウド上でバックグラウンド実行される。
Pex Framework が動作するのは Visual Studio 2010 のみである。開発に Visual Studio 2012 を使用している場合，Microsoft Fakes フレームワークが必要だ。