Visual Studio 2012 の提供開始を始まりとして,この製品ラインのリリースペースがこれまで以上に積極的なものになっている。Microsoft は,開発業界の変化の早さに対応するため,VS のアップデートスケジュールをこれまでより定期的なものにする,という同社の意向について説明を行った。第1弾となるアップデートは今年後半にリリースされる予定だが,内容の一部を提供する最初の CTP (Community Technology Preview) が リリースされた。
プレビューされた 変更内容は,規模と重要度の点でさまざまだ。
Windows XP を対象とするアプリケーションの構築。
マネージドとネイティブの混合 Windows Store アプリケーションのデバッグをサポート。
シンボルとソースのロード処理の改善。
Sharepoint アプリケーションを対象とする IntelliTrace コレクション。
JavaScript アプリケーションのメモリプロファイリング。
Visual Studio 終了時に MSBuild をシャットダウン。
Test Explorer でのユニットテストのグルーピング,フィルタリング機能。
異なるロケーション間のリレーションの確認と移動を容易にするコードマップが構築可能 (マネージドコード上で右クリックして "コードマップ上で表示" を実行)。
APM 例外アラートの IntelliTrace 解析のために System Center を Visual Studio に統合
JavaScript Memory Analysis ツール提供。主にJavaScript で記述された Windows Store アプリケーションのメモリ使用量の調査と潜在的なリーク診断を可能にする。
新機能の中でも最大のものは,Windows XP を 開発対象 にできることだ。Windows XP サポートの要望は以前にもあったが,今回のアップデートでそれが実現されることになった。これにより,ひとつの実行ファイルを Windows XP,Vista,Windows 7,そして Window 8 クライアントに提供することが可能になる。ただしこれは,VS2012 のツールとコンパイラが使用可能になったのであって,Windows XP で .NET 4.5 が サポート可能になるのではない,という点に注意が必要だ。VS2012 自体の最低 OS 要件が Windows 7 あるいは Server 2008 R2 であることに変化はない。
上記以外にも,今回のアップデートではテストのサポートが改善され,Team Foundation Server も変更されている。テストに関して注目に値するのは,ロードテスト,Share Point の Coded UI サポート,コマンドライン経由でテスト結果を TFS に発行する機能などだ。また以前に 報告 したとおり,サーバのファイルパスの上限値は 260 文字に拡大されている。