Eclipse FoundationはJavaScript、HTML、CSSで書かれたWebアプリケーション用のブラウザベースエディタ、Orion 1.0をリリースした。
Eclipse Orionは「ブラウザが新しいエディタだ」というコンセプトからはじまった。Orionは新しいEclipse(すべてが備わったフル機能のIDE)としてではなく、Webアプリケーションの生成、編集をサポートするコンポーネントのセットとして作られた。それにもかかわらず、OrionはEclipseと似た拡張メカニズムを備えており、ソースコントロール、テスティングツール、グラフィックツールなどの追加機能を作って、プラグインメカニズム経由でOrionとリンクすることができる。ただし、プラグインはブラウザの別のタブにロードされる。将来的には、同じWebページ内でプラグイン機能を提供できるようになるが、今のところはできない。
プラグイン基盤がOrionの基礎になっている。開発者はローカルもしくは別のWebサイトにホストされた各種機能をエディタに追加できる。外部コンテンツはページサービスを通して、iframeのOrionテンプレートページにロードされる。提供されているプラグイン機能を使って、すでにFirefox Scratchpad、Scripted、Cloudfierといった別プロジェクトがOrion上に構築されている。
今のところ、Orionは、プロジェクトナビゲータ、Webサイトナビゲータ、リポジトリナビゲータ、cd、edit、ls、pwd-などわずかなコマンドを備えたシェル、JavaScript、HTML、CSS用のコードアシスト、ラインアノテーション、アウトライナを備えた基本エディタなどの基本コンポーネントを提供している。さらには、Gitインテグレーション、ユーザプロファイル管理、ユーザ認証、JSLintを使ったJavaScriptバリデーション、タスク管理など、多数のプラグインがある。GitHubでは、コードミラーリング、JavaScriptのコード整形、Pixlr経由の画像編集、文字列の外部化などの各種プラグインが利用できる。
エディタはコードリポジトリ、編集、WebサイトのホスティングをサポートしたOrionHubでテストできるが、ダウンロードしてローカルで使ったり、プライベートなWebサイトで使うこともできる。
22名のコミッターからなるチームは主にIBMの開発者で構成されている。Eclipse OrionのプロジェクトリードであるKen Walker氏によると、4ヶ月毎に新しいバージョンをリリースし、バージョン2.0は2013年2月に予定しているという。チームはUIとUXの改善に注力し、そのUI、JavaScript、HTML、CSSツールの改善、OrionHub外のプロジェクトのデプロイサポート、Node.jsへのコードデプロイサポート、オフラインサポートなどを実現する拡張とのインテグレーションを実現する。