Professional Association of SQL Server (PASS) Summit 2012、 SQL Serverの専門家向けの技術カンファレンスで、Microsoftは、Hekatonをアナウンスした。これはトランザクション処理(TP)の作業負荷を対象にしたインメモリによる、行ベースのデータ管理システムである。TP速度が古いアプリでは最高10倍、そして新しく最適化されたアプリでは最高50倍の速度増加する、という宣伝に加えて、Microsoftは、 Hekatonが完全に SQL Serverに統合されている、と売り込んでいる。
既存のアプリケーションは、ツールの助けを借りて、最も使用されたテーブルを決定し、次にシステムのメインメモリでそれらのテーブルを格納するようにサーバを設定することによって、新しいデータベース技術の恩恵を受ける可能性がある。これは、より高速なアクセスのためにメモリに最適化されたデータ構造で行われ、一方、残りのデータは、必要な時にディスクに、ページ イン/アウトすることができる、従来のストレージに最適化された構造に存在する。
今まで、SQL Serverは、クエリプロセッサによって解釈されたデータ構造にコンパイルされたクエリやストアドプロシージャを持っていたが、より高速な実行のために、Hekatonは、T-SQLストアドプロシージャをネイティブコードに直接コンパイルする。
HekatonはMicrosoftとWisconsin 大学の研究者によって開発された新しい同時並行制御メカニズム(PDF)を使っており、複数のコアに跨いでより優れたスケーラビリティのための、ロックの無いデータ構造を使い、ACIDトランザクションの整合性を維持しながら、ロックを回避している。
Hekatonは現在、Microsoftが選んだパートナーによってテストされており、SQL Serverの次のメジャーバージョンに含まれる。リリースされれば、 HekatonはSAP Hanaと競合する。これは2010年にリリースされたスタンドアローン製品でリアルタイム分析用のデータベースを持っている。そしてOracle Exadata X3とも競合する。これは Oracle Database 11gで走る製品で、ソリッドステートストレージに最新データを保存する。
MicrosoftはSQL Server 2012 Parallel Data Warehouse (PDW) の最新版をアナウンスしたが、これは SQL Server製品で2013年の前半に出荷される。