Agile Tourは非営利の連続カンファレンスで、10月から12月にかけて世界各地で開催される。アジャイルコミュニティ同士を結びつけるのが目的だ。5年目の今年は、Agile AllianceとScrum Allianceの支援を受けて世界中を回っている。
このツアーを始めたのはPatrice Petit氏だ。2008年にフランスとスイスで小さなイベントを開催することから始まったこのツアーは、今や世界各地で80を超えるイベントを開催している。Agile Worldのウェブサイトによれば、Agile Tourの目的は、
- アジャイルについての大規模なコミュニケーション: 開発手法について'大規模なコミュニケーション'を行うのが第一の目的です。参加者がいるところならどこでもコミュニケーションしたいと思っています。私たちの新しい方法に注目してもらいたいからです。
- 私たちのアジャイルのビジョンを共有する: アジャイルはいつも進化しているので、新しい動きに対してオープンでありたいと思っています。同時にアジャイルコミュニティに対して私たちの理解や解釈、アイディアを提供したいと思っています。
- ローカルな成長: 世界中でアジャイルの領域のリーダーシップを促進したいと思っています。
- サポート: アジャイルを導入することで仲間や地域のビジネスを支援します。
開催地のリストはAgile Tour 2012のウェブサイトで確認できる。ヨーロッパ、ブラジル、中国、アフリカ、オーストラリアではもうすぐ開催だ。
オーストラリアでは11月23日にAgile Tour Sydneyが開催される。InfoQは主催者のJeremie Benazra氏とRowan Bunning氏に詳しい話を聞いた。
InfoQ: Agile Tourの背景にあるアイディアを教えてください。他のカンファレンスとは何が違うのでしょうか。
Agile Tourは、2009年から毎年、10月から12月の間に世界中でアジャイル関連のカンファレンスを連続で開催しています。アジャイルのアイディアを統合する"大規模なコミュニケーション"がビジョンです。シドニーでは、参加者が積極的に活動する、実践者のための実践者によるイベントを開催することをビジョンにしています。昨年参加した方はコミュニティが自発的に組織したイベントで率直な議論が展開さていたのを感じたと思います。私にとってAgile Tour Sydneyの経験は昨年のイベント開始と終了の輪が象徴しています。開始時には100人程度の参加者が立ったまま輪になり自己紹介しました。終了時にはまた輪になって、カンファレンスで知り合った人を確認した後に糸の玉を投げて2日間のイベントで形作られた人間関係の物理的なグラフを作成しました。
InfoQ: Agile Tourはどのような参加者を想定していますか。何か得られるでしょうか。
第一にアジャイルを実践している方です。例えば、アジャイルの環境で働いており、もっとアジャイルを強化したいと思っている人です。昨年は経験豊かな多くの人々が参加してくれました。とはいえ、アジャイルの手法に慣れていない人も大歓迎です。遠慮なく議論に参加してください。
InfoQ: 非営利のイベントを運営するのは難しいですか。
そうですね。イベントを開催するのに主催者は長い時間を費やしていますが、お金はもらっていません。Agile Tour Sydneyの開催は主催者の自己犠牲によって成り立っています。多大な時間とエネルギーをアジャイルコミュニティの満足のために費やしているのです。イベントから利益を得た人たちが彼らを少しでも認識し、感謝をしてくれればいいのですが。
InfoQ: 今年のシドニーのイベントはどうですか。
素晴らしいプログラムです。シドニーの(そしてオーストラリアの)経験豊かなアジャイル実践者が多く参加します。カンバンや、リーン、デザインシンキング、スクラムなどの方法論について取り上げます。BDDや継続的デリバリのような技術や分散アジャイル、抵抗への対処法、組織文化なども扱います。
InfoQ: このようなイベントを開催する動機はなんですか。
数ヶ月の間、議論や開催までの活動の中で他の主催者の皆さんの熱を経験できるのは素晴らしいことです。また、多くの優れた提案を受けられるのにも興奮します。そして、イベントの当日、多くの皆さんが休みを取って参加してくださり、プログラムにあるトピックだけではなくアジャイルに関連するあらゆることを熱心に議論してくれるのは大きな励みになります。
InfoQ: シドニーのイベントに参加したい場合は、どこで情報を得ればいいのでしょうか。
Agile Tour Sydneyのウェブサイトを見てください。でも、急いでください。私がこれを書いている時点で今年のイベントのチケットは売り切れ目前です。この記事が読まれるときには売り切れているかもしれません。
参加方法の詳細は各都市のAgile Tour 2012のウェブサイトで確認できる。