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人に着目して組織に対する考えを変える

原文(投稿日:2012/11/08)へのリンク

 

Bob Marshall氏は、マネージャは組織に対するより効果的な考え方をするために従来の分析的な考え方を克服する必要があると論じている。そのためには人に注目しなければならない。

Bob Marshall氏は組織セラピーの専門家であり、自身を“物事を異なる視点で捉え、ルールに頓着せず、現状を尊ばない”と説明している。氏は”優れたソフトウエア開発マネージャになるには”と題したブログ記事で次の話題を扱っている。

  • 組織の期待。組織は優れた、素晴らしいマネージャを期待しているか
  • 優れたマネージャが今、そして将来にもたらす結果や利益
  • 英雄的なマネジメントとコミュニケーション。仲間が必要としていることをどのように理解するか。仲間をどのように巻き込むか
  • 疎外感。仲間を作ること。仕事上の人間関係
  • 勇気とマネージャが直面する難題
  • マネージャの役割

氏はソフトウエア開発のマネージャは有効性に焦点をしぼるべきだと言う。

組織が“ソフトウエア開発マネージャ”という肩書きを与えているということは、分析的な考え方に陥ったままでいるということです。しかし、例えば、組織全体の効果は組織の支配的な考え方の関数であるというような核心の問題を明確に理解していないながらも、組織は考え方を変えたがっているかもしれません。このような問題に仲間の注意を惹き付け、組織に対するより効果的な考え方への転換を支持するのが優れたソフトウエア開発マネージャとしての仕事です。

マネージングはプロセスやツールではないと氏は言う。

“壊れた”ソフトウエア開発組織を直すことに時間を費やしたくなるかもしれません。ツール、メソッド、プロセス、技術的な問題に取り組みたくなるかもしれません。でもいけません。毎日そのようなことに時間を費やすのは考え方の転換という本当の仕事を達成する上では損失になります。 自分たちで解決できることにマネージャが鼻を突っ込むことをありがたがる人は開発チーム内にいません。

代わりにマネージャは従業員と共に働き、従業員が適切に働くために必要なことや既に上手くやっていることに目を向けるべきだ。

幅広い組織の中で仲間が自分自身や同僚のために必要としていることを見つけることです。そして彼らの仕事の結果を見て、これまで何が上手くいっていたのかを見つけます。成果や1人1人のニーズやまとまったニーズに基づいて、理性でなく感情のレベルで賛同できる共通の利害、共通の目的を見つけます。

氏によれば、人々は十分にコミュニケーションできない。氏はコミュニケーションしすぎることを求める。

ビジネス上のさまざまな人と話をします。ある事案について意見のある人の話をしっかり聞きます。そして、彼らの見方が役に立たずで流行遅れの意見であったとしても共感しましょう。その意見によって彼らのニーズを把握できるかもしれません。そうならなくても、協力が得られなかったことに驚いてはなりません。

マネジメントは時代遅れになるのだろうか。そうなるかもしれない。

効果的な組織の場合、“マネージャ”の仕事は薄れていきます。組織にとって本当に優れた仕事をするなら、その仕事は薄れていくでしょう。

このブログに反応したJames O'Sullivan氏は友について疑問を抱いている。

あなたは友と味方を区別していますね。詳しく説明してくれませんか。良き友は良き味方でもあるはずですが、良き友は必要であれば挑戦をしてきます。

この質問に対してBob氏は次のように説明している。

はい、友と味方を区別しています。味方という言葉には“陣営”や“党派”という意味が含まれていますが、組織全体を動かそうとしているときには役に立ちません。ほとんどの組織には既にたくさんの“我々 vs 彼ら”という構造があります。仲間をばらばらにせずにまとめあげるのは大変なことです。

Pat Reed氏によるアジャイルな才能開発と柔軟なキャリア開発という記事にもマネージャが人と仕事上の人間関係に着目することについて同じような見方が書かれている。

人に投資して柔軟なフレームワークと役に立つインフラを構築して、エンゲージメントと継続性、持続性、革新的な才能の流れを最適化する組織を作るときです。

続けて氏はリーダーがするべきことを明確にする。

リーダーはしっかりとした鋭い質問をし、正しい問題に向かい合い、組織内の障害を取り除き、チームが解決するべきことを確実に把握するようにするべきです。また、チームにしっかりと寄り添って支援し、成果に熱心で、チームが自ら組織的になり、臨機応変になり、早く失敗して立ち直り(失敗しても大丈夫な環境を作り)、学習するようになるために、模範となる勇気を示す必要があります。

“マネージメントとリーダーシップの違い”と題したブログ記事で、Seth Godin氏(“Linchpin”の著者)は少し違った見方を示している。氏はリーダーとマネージャの違いは周囲の人との働き方の違いだと考えている。

部下が昨日やった仕事を昨日より少しでも早く安くやらせようとするのがマネージャです。 ... 一方、リーダーは目的地を知っていますが、仲間いて、部下に何かを生み出すツールを与えなければ、到達できないことを理解しています。

André de Waal博士の優れた組織(High Performance Organizations,HPO)についての調査には、“優れた組織を作るための5つの要因”が示されており、これによると優れた組織を作るにはマネジメントの質と従業員の質の両方が必要だ。

マネジメントの質 
HPOのマネジメントは高品質であり、高潔さと模範的な振る舞いを伴うリーダーシップが合わさった信頼に基づく関係を構築し、素早く決定下し、結果指向であり、長期的なビジョンにコミットする。

従業員の質 
HPOの従業員は多様で、互いに補い合ってよく働く。成果については柔軟で弾力的。毎日質問と回答に忙しい。“どうしたらもっと成功する組織になるだろうか”

Bob Marshall氏は以前、価値に基づいてタスクの優先順位を付ける方法について書いている。また、アジャイルの状況という記事の回答者でもある。

 

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