Microsoftは、まもなくリリース予定のWindows Embedded Compact 2013に含まれる.NET Compact Framework 3.9 (NETCF 3.9)を発表した。これには、アプリの起動時間の改善、メモリの使用率と管理の拡張、Visual Studio 2012では、新しいガベージコレクタの補助によるアプリの高速なビルドをサポートしている。
NETCF 3.9ではマルチコアハードウェアがサポートされ、組み込みデバイスでマルチコアを活用できる。また、よりコンパクトな命令によりアプリを高速化できるThumb2命令セットのサポートも含まれている。また、ランタイムはアプリのパフォーマンスを拡張するARM VFP命令を活用することができる。
ランタイムは、共有サーバーをサポートしており、共有のロード済アセンブリによるアプリの起動時間が改善され、アプリをまたいだJITマシンコードとまたメモリ使用量の削減が可能になっている。この機能は、デバイス上で複数のアプリが同時に実行されているときに有益であり、またバッテリーの寿命も向上させることができる。
.NET Compact Frameworkの Program ManagerであるAbhishek Mondal氏によると、“アプリのパフォーマンスは大幅に向上する。なぜなら、新しいガベージコレクタはテストフェーズにおけるGC時間を50-60%削減し、また停止を削減したことにより30-40%高速なアローケーションを提供する”
前述の通り、NETCF 3.9にはVisual Studio 2012のサポートが含まれており、開発者はひとつの開発環境で、Windows、Windows PhoneとWindows Embedded Compactアプリを開発することができる。また、組み込み開発者はVisual Studio 2012に含まれているALMツールとTFS を活用することができる。
Abhishek氏によると、Windows Embedded Compact 2013が実行されるx86とARMデバイスの両方でパフォーマンスが改善されるという。