本日行われた Microsoft の Build 2012 Conference で,Keenan Newton,Cyrielle Simeone の両氏が,Office と SharePoint 2013 で使用可能な新機能をいくつかデモして見せた。どちらも Web ベースのデータソースを積極的に活用し,それぞれの App Store からアプリをインストールする機能を備えたアプリケーションとなっている。
これら最新バージョンで改善対象とする領域として,Newton 氏は以下のものを掲げた。
- アプリおよびクラウドアプリモデル
- Office ストアおよびSharePoint ストア
- SharePoint クライアントサイド・オブジェクトモデル
- SharePoint サーバサイド・オブジェクトモデル
- ワークフロー
- アクセス
SharePoint でアプリを幅広く利用できることは,必ずしもセキュリティリスクを伴うものではない。その説明として Simeone 氏は,管理者によるユーザのアプリ使用制限の機能を紹介した。管理者がユーザのアプリ追加を制限したい場合,ユーザが希望するアプリごとに,管理者に対してインストール権限を要求しなければならないような設定が可能である。これによって管理者がそのアプリを検査し,ユーザからのインストール要求の是非を確認することができる。Office ユーザを管理する場合は Group Policy Object を使用すれば,Office アプリストアへのアクセスを同じように制限可能だ。
ワークフローが Workflow Manager を使用してオフサーバで実行できるように再設計された。これによって SharePoint のインストール時に,Workflow Manager を拡張するためだけに SharePoint ハードウェアを拡張する必要はなくなった。SharePoint と同じサーバに Workflow Manager をインストールすることは引き続き可能だが,推奨されているのは別々のマシンへのインストールである。
Newton 氏の描くビジョンは,プラットフォームを現代的なものにすることだ。その目標に向けて氏は,自分たちが取り組もうとしている重要なトレンドをいくつか掲げてみせた。
今日のトレンド
- HTML5 と CSS3
- 開発者の 75% が HTML5 を使用
- 2014 年までには Fortune 1000 企業の 75% が API を公開する
私たちの方針
- クラウド用の設計
- 継続的開発プラットフォームの実現
- 開発者への選択肢の提供
「開発者への選択肢の提供」を強調するものとして Newton 氏は,希望するならば Notepad を使って Office/SharePoint アプリを開発することも可能である,という点を例に挙げた。
Simeone 氏は Office 2013 のアプリサポート動作の説明として,実際に Excel 2013 を使って,米国各州にマップされたデータをテーブルとして持つスプレッドシートに Bing アプリを追加するデモを行った。このような情報のリスト方法はごく一般的(販売実績や生産情報など)だが,Bing マップを追加していることにより,データがマップ上に動的にオーバーレイされる点が違っている。テーブルにデータのある州にはマップ上にマーカが配置されていて,デモでは Simeone 氏がテーブル情報を変更すると,それを反映してマーカが更新されていた。