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Version One が最新版 Team Room のリリースを発表

原文(投稿日:2012/11/07)へのリンク

 

Version One は,同社 アプリケーションライフサイクル管理 (ALM / Application Lifecycle Management) 製品の次期リリースについて発表した。広範な組織全体を統合管理するというニーズにはこれまで通り対応しながらも,開発チームを重視している点が特徴だ。

アジャイル領域での ALM ツールの進化は,どうやら振り子のパターンに沿っているようだ。最初の頃は小規模なチームを対象とした,日々の作業を直接サポートするようなツールがほとんどだった。それが時間が経つにつれて管理レベルの機能が徐々に追加されていき,現在では大部分のツールが管理報告側の機能に大きく偏るようになった。その振り子が今度はチームレベルのニーズに戻るように振れている,ということだろう。

Version One の CEO である Robert Holler 氏が,製品リリースについて InfoQ に話してくれた。

氏によると,アプリケーションライフサイクル管理ツールは大きく2つのカテゴリに分類されるという。ひとつはチーム個々のサポートには優れているが,PMOレベルの管理報告が犠牲にされているグループである。もうひとつはガバナンスや報告といったニーズには対応するものの,チームレベルに必要以上の負担や無駄な作業が課されているため,チーム機能に複雑性や負荷を加えるという代償を伴うことが多いグループだ。

Version One は当初,チームを強く意識したツールとしてスタートした。その後何年もかけて,組織レベルの視点を取り入れて進化してきた製品だ。Team Room のローンチは,チームを越えたプログラムおよびポートフォリオの統合管理というニーズを引き続きサポートしながらも,よりシャープなチームレベルの視点へのニーズを示した同社顧客調査の結果を反映したものだ。

Holler 氏はこのアプローチを "連合アプリケーションライフサイクルモデル" と呼んでいる。異なるユーザグループが目的としている別々の観点と機能を同じデータストア上で提供する,という意味からだ。

この連合アプローチによって開発チームは "管理オーバーヘッド" に悩まされることなく,自らの問題に集中できるようになる。Team Room は同一のデータベース上にあるので,多数のチームからの情報は,容易かつ透過的に管理レベルで統合できる。それによってチームレベルで余分な作業を発生させることもない。異なる機能を提供する個々のモジュールが存在し,その基本となるデータベースが企業全体のパフォーマンスの状態を提供することから,Holler 氏はこのアプローチを ERP ベンダのものと同一である,と説明している。

これが重要な理由について Holler 氏は,次のように説明している。
"Team Room は開発プロセスをシンプルなものにすると同時に,開発の中心をチームに置きます。そのためチームメンバはチームの問題に,マネージメントはチームのなすべきことに,それぞれが集中できるのです。" さらに氏は,チームが自らの問題に集中できることが,より技術的および社会的に優れたチームプラクティスの利用を促進し,さらにはアジャイル適用を成功に導くような好ましいプラクティスの適用をも容易にする,とも語った。

InfoQ では Version One が将来,この製品をどのような方向に進めようとしているのかを Holler 氏に質問した。 氏の回答は "社会活動としてのソフトウェア開発" というものだった。つまりフィードバックの獲得を通じて組織の内外にネットワークを構築するとともに,そこで得られたフィードバックをマネージメントおよび開発チームにとって有用かつ実行可能な方法で提示することによって,ソフトウェア開発における優れた意思決定をサポートし,多数のチャネルから寄せられる情報の捕捉と理解を支援するのである。

今秋のリリースで追加される機能は次のようなものだ。

  • エピック・ビジュアライゼーション – プロダクトマネージャがエピックとストーリの階層全体を確認,あるいは閲覧する作業を支援する。
  • リレーションシップ・ビジュアライゼーション – 開発サイクル全般にわたる作業項目間の関係を誰もが理解できるようにする。
  • ストーリボード・エージング – 作業項目の進行時間を表示することにより,停滞しているストーリやプロジェクトの潜在的障害の特定を支援する。
  • マルチカラム WIP 制限 – チームがより詳細なプロセス管理を行うために,複数のステータスに対する WIP 制限の設定を可能にする。
  • プロジェクトサマリ・レポート – レポート機能を拡張し,長期間にわたるプロジェクト状態のトラッキングを可能にする。
  • CA Clarity によるタイムシート・レポート – CA Clarity™ PPM (Project and Portfolio Management) の統合により,タイムレポートを統合し,情報の重複入力を回避する。
     

 

Shane Hastie 氏はアジャイルコーチ,トレーナ,コンサルタンとして,オーストラリアおよびニュージーランドのソフトウェア教育に携わっている。

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